「 横溝 美由紀 〜 集積 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.11.04〜12.04【 ozasa_kyoto 】

やっと来る事ができました、まだ新しいギャラリー。
自宅からほど近い場所にできたということは何とも感慨。
横溝さんの作品は以前のOZASAHAYASHIで初めて見ました。

今回は一見誰でも平面、と “推定” する、
つまり「絵」ですよね、これは、という作品なのですが、
横溝さんはこれを彫刻と断言します。
横溝さんの初見の作品も唸りました。
モチーフは何であれ、そこに凝縮されたものは「時間と空間と光」です。
横溝さんは彫刻の出自です。
だからこれを彫刻とする、とかではなくて、
むしろ、横溝さんの示唆するものに、鑑賞者が彫刻とは、
またその方法論とは何か、ということに気付かされるということではないでしょうか。

タイトルが表すように平面に集積された無数のラインは
「面に穿(うが)った線」と考えると、なるほど、と。
その線にまとわりつく絵具は彫刻にとってのマテリアル。
これは張った糸に絵具をからめて、支持体に弾いていくという手法です。
黙々とこの行為を反復し、
線は一定のベクトルと質量をもって徐々にその様相を明らかにしていきます。
この集積への手立てこそが「絵画という名の彫刻」の所以であるわけです。
ギャラリーの壁に垂直に放たれた一本の線と飛沫と色溜まり。
ここだからこそ活きる作品、
シンプルだからこそ感じる実に見事な “光景” を作り出します。
支持体に直接に筆も置かず、もはや手すら触れない、という、
面からのわずかな空間に生まれる、
呼吸と心拍数をそのまま映し込んだような表情。
切れ味の鋭い作風はキュレーターの加藤義夫氏が言うように
「関係性のアートとして確立・展開される
インタラクティブなインスタレーションという手法ではなく、
正しく「自己作品の自律」に他ならないのです。

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「 片野 まん 〜 personal landscape 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.11.05〜12.04【 MORI YU GALLERY 】

一階の寺村さんと同時開催の二階での展示です。
片野さんも昨年の暮れに初めて作品を拝見しました。
その時のステートメントにちょっとシビれたんですね。
イギーとかケルアックとか。
安息の地って、どこにあって、いつになったら辿り着けるのか…
そんなことを考えていた若い頃の、様々な出来事が、
軽くフラッシュバック。
森さんはニホンよりもヨーロッパでウケる絵、と仰ってました。
どことなく所在なげに佇む人々。
何かの目的で集まってきたのに、
その目的はたいした問題ではない、そんな様子。
でも絵のタッチから受けるほどに不穏ではないのは、
何となく現在の世相と、熱い時代(その体感温度は人によって色々だけれど)との
共通項やそうじゃない部分、両方をはらんだ風情が漂うから、でしょうか。
もしかしたら多民族の中の自分の在り方、であるとか、
ちょっと坩堝(るつぼ)な状況、あるいは根無し草的、
そう、デラシネな画風からかもしれません。
決してドラマチックではないし、そもそも絵そのものは淡々としています。
でも何か、ワサワサするのは、ひとり一人の価値観の差や、
それぞれの文化的なバックボーンを否が応でも抱えているといった宿命的な人の機微を、
まるでロードムーヴィーのような画面から感じるからでしょう。
だからか、日本人離れしている印象。

「とりあえず、道にいる」という1年前のステートメントの締のフレーズがかっこいい、
そんな片野さんです。
それと小品の風景画、これがウーム、と言うほど、いいですねぇ。

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「 寺村 利規 〜 城/Das schloss 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.11.05〜12.04【 MORI YU GALLERY 】

実は僕の勘違いでオープン前日!に来てしまい、
そのお陰?で代表の森裕一さんとも作家の藤原康博さん
(台湾での展示の件でご一緒)ともラッキーな出会い。
それとボーナス眼福として、すでに買い手がついた
(なんでもオーストラリアの方とのこと)作品も、
なんとか展示する手はずを組まれたとかですが、
もしかしたら今日しか見られないかも知れないとかで、
これもラッキーなドキドキ。

寺村さんの作品は5年前にここで初見。
思わずそのトリミングとタッチに魅了されて以来、楽しみにしていた展示です。
その時にご本人に唐突に好きな監督は?と尋ねましたら
ジム・ジャームッシュの名前。
なるほどねぇ。時々、これはデジャヴュかな?と思っていたら、
実は映画のワンシーンだったなんてことがあるものです(僕は結構あります)。
今回はその流れを汲んだものと、
全く異なる画風の作品が並列されていて、
寺村さんの中で何かが変化していると感じました。
カフカの「城」に材をとり、以前とはまた違う筆使いで、
でもやはり “フィクションに見るリアリティ” というものが反映されているんですね。
以前にも書いたんですが、寺村さんの絵に登場する人物は、
表情が一瞬に垣間見せる “本性” を見事に捉えています。
新作の画風の異なる作品は白いシルエットだけのシンプルな構成ですが、
ブルーの背景とのギリギリのコントラストが象徴的な、
これもストーリー性の強いものです。
奥の部屋には更にシャープな印象の殆どモノクロに近い色合いの作品があって、
新しい展開の予感を感じさせます。
ともあれ “巧さ” を心象表現に置換させるセンスは際立つものがあります。
レビュー遅くなりましたが、必見の展示です。
今回はあえて会場の柱を入れたアングルで撮影してみました。

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「 現代美術二等兵 | 若気の至り 〜 駄美術は25歳 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.11.22〜12.03
【 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w 】

鮮烈である、とか、劇的な、というよりは、
もちょっと、じわりと来る、なんというか、
ほふく前進する軟体動物、そんな感じ、
そうです「現代美術にヒエラルキーがあるなら、僕らは最下層。
巨大な戦車に竹やりで向かっていくようなイメージで名付けた」とのことで
ネーミングされた現代美術二等兵
(籠谷シェーン+ふじわらかつひと)の展示です。
しかも来年活動25周年ということで、
なんと木内貴志さんがゲスト参加されてます。
もうこれほどの強力な布陣はありませんて。
25歳はまだまだ若輩、ということですが、
二等兵さんは熟達、とか、洗練、とかではなくて、
バタ臭い視座、というものを永遠に持ち続けていただきたいと、
切に願います。
会場にいらした籠谷さんと目を合わすばかりで
お話しできませんでしたが、
笑いを噛み締めながら(加えて抱きしめながら)持ち帰りたいと思った次第でして、
誠に失礼いたしました。
どこが笑いの(時としてそれはペーソス、という
現代美術が嫌いそうな或る種の機微も含めての)
ツボかは、画像を見ながら、というよりも、
来月3日までなんで、是非会場にいらしてください。
家族で来られても楽しいし、
帰りに立ち飲みであーだ、こーだ、としゃべくるのもいい。
木内さんと二等兵さんがお互いにセレクトした過去の名作もありで、
僕はもう、実にスペシャルかつゴージャスな
期間限定お子様ランチを目の前にした気持ちで、
実は内心かなり高揚していたんです、籠谷さん。
画像の後半は木内さんの作品です。

※まっ二つに大破した舟盛りや
事故現場の4つの人型「ヤングマン」、やられました…

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「 金澤 一水 展 〜 惑星交響曲 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.11.22〜11.27【 ギャラリー恵風 1F/2F 】

ギャラリーの熱いラブコールで
6年ぶりの個展をされた金澤さんは
東京藝大の金属工芸出身なのですが、木彫、です。

強烈にガツンと胸に迫る展示。
一階は「地球・月・太陽・金星・水星」
二階は「火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星」と
11の惑星をそれぞれのキャラクターとして制作、
しかも惑星年齢もきちんと反映されてます。
実は、時間があれば全身作りたかったとのことですが、
むしろ想像を逞しくさせてくれ、
この首が銀河系をぐるぐる回る図なんか思い浮かべました。
遠くに浮かぶ惑星に想いを馳せながら、
その実体を知ることも行きつくこともままならない。
それは人間の在り方や関係性をも象徴している。

ついばむように、いや哀れむように羽の欠けた鳩と、
鼻がスライスされたように欠けた地球、
そしてマツコな海王星!、
太陽系から外された冥王星は最後尾で恨めしそう…など
大胆で細やかな配役と設定は見る者を圧倒します。
下記のサイト、是非ごらんください。
若き才能のほとばしり、
その詩的表現の粋を見ることができます。
中でも修了制作の伊達政宗(1993)は圧巻!です。

金澤さんの過去の作品は → http://www.gaden.jp/arts/kanazawa.html

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自己嫌悪な日々をゆらゆらと
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「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
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