「 TDC 2016 」

Category : 現代美術シッタカぶり
たいぽ

2016.07.22〜08.27【 京都dddギャラリー 】

なんとか最終日、セーフ。
さて、デザイナー時代に一番気を配ったのがタイポグラフィーでした。
或る仲良しの老練デザイナーと話をしていて
「文字なんてゴシックと明朝だけでなんとかなる」なんて言ってた頃が
妙に懐かしいです。
DTPなんて言われる頃のモリサワ書体に
相当の違和感を覚えたデザイナーは僕だけではないはずです。
「新ゴ」の気持ち悪さ、
やはり写研の「ゴナ」はよくできたバランスのとれた書体でした。
えっ、写植って何? かも知れませんね。
糊とカッターナイフとピンセットと…
それなりに良き時代でした。

話はさておき、そう、会場に薄く流れているのはボウイの
「「Sue (Or In A Season Of Crime)」のPVからの音。
このPVを見た時、じわじわとくる、なんというか実に丁寧な仕事、
というのをまず感じたんですね。
良く言う「いい仕事してるよなぁ」です。
そしたらイギリスのTom Hingstonさんが受賞してました。
これを推した審査員に拍手したいくらいですね。
気になる方は是非YouTubeで見てください。
ゆっくりと時間をかけてまわりましたが、
とてもリフレッシュしたいい気分に浸りました。
やはり出自がデザインなのでいろいろと回顧したり意見を呟いたり…

今の仕事には全くもって関係ないんだけど、
いい時間を過ごせました。
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ART OSAKA 2016「 アートコートギャラリー 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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木村太陽/牡丹靖佳/水田寛
2016.07.01~07.03【 HOTEL GRANVIA OSAKA 6217 】

藤田千彩「木村さんの作品のように、見ただけで面白い、っていうものは、
裏に秘めてるなにかがあるんですかね?」
木村太陽「ありますよ。本当に面白いって思う、飽きが来ないっていうものは、
なにかが裏にあるんですよ。」

相当前のインタビュー。
何を語るというほどのものではないのに、その通り!と膝を打ってしまうほどに
痛快な面白さ(あー、おもしろいっていう響きは
常にそれ以上でも以下でもなくなるつまんなさを同時に放つ…)を
送りバント的に着実に僕の脳内ダイヤモンドで静かに暴れてくれます。
しかも放つランナー達はみんな笑っています。
ここではメガネと雑誌の目の部分をくり抜いた作品などが展示されていました。
木村さんと同年代の牡丹さんの作品。
こういう絵が描けるということの凄さをもっとみんなに知っていただきたい、と。
はっきりとは描かれていないものへの、
鑑賞者の洞察や探りというものをガンガン触発してくるんですね。
童話も描かれている方で、作品を見て旬だなぁ、と。
そしてこれも好きな作家、水田さん。
ご本人も実に飄々としていながらも目は常に真剣です。
今回はちょっと趣向が変わった作品もありました。
ただやはり所々に水田さんなりの隠し技、というか、
やんわりとオリジナリティを醸し出しています。
三人ともいいですねぇ、ええ。

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「 夜 ー 朧げな際 〜 黒宮 菜菜 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.08.04〜08.21【 京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA 】

ここの床は確かグレーだったような…
このオフホワイト(照明の具合によりますが)の床は
以前の展示で使用されたもので、
黒宮さんはそのまま使いたいと申し出たということですが、
大正解!です。
常々作品を撮影する時には底辺が重くなってしまうので、
床はできるだけフレームに入れないようにしているのです。
壁も天井も床もほぼ同じ色合いということで、
特に黒っぽい油画作品がより際立ち、まるで空間に浮いているような錯覚を促します。
以前に同時代ギャラリーでのグループ展で大作を出品されていた黒宮さん。
その時の染料の滲みで表現されたロールシャッハのような作品ももちろんですが、
遅ればせながら僕にとって初見であった油画に
黒宮さんの作風の魅力が凝縮されていました。

危うげな輪郭、茫洋と背景に溶けてしまうようなつかみどころの無さ、
そして解説にもあるような、
そもそも「液状に溶いた絵具」を支持体に落とす時の確信とは一体いかほどのものか、
どこからくるのか、そしてどこで完結するのかという
画家の命題にも繋がっていくような問い。
以前見た作品も、うまく言葉にならないのですが
宗教画のテイストをどこかに感じるのは僕だけでしょうか。
特にシンメトリックな構成の作品にはより強く印象づけられます。
この絵を見て不穏な空気を読むか、
いや人間とはかくも不確かな生き物であると再認識するかはともかく、
事実としてこういう絵は初めてお目にかかります。
民族や思想や規範や良識というもの意識そのものが大きく揺らぎ、
否定する力とのせめぎ合いを目の当たりにする昨今、
まるで肩を思いっきりゆすられて首がガクガクと陽菜させられるような
「非力さ」を見せつけられる今日このごろに、
絵の前でしばし立ちすくんでしまうのはなぜでしょうか。

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「 相違の情景 〜 原田 悠輔 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.07.27〜08.07【 Lumen gallery 】

今年上半期はとうに過ぎていますが、
僕にとっては忘れ難い見応えのある個展です。
原田さんはこのギャラリースペースを見て、ここでの個展を決めたそうです。
結論を言えば連作のようなコンクリートのオブジェを一列に並べた時の
(柱の無い)約8mという想定をここは満たしていたからです。
これは鉄で作ったミニチュアのテトラポッドを埋め込んだもので、
熱によって溶かされた型のようなポッドの名残りが印象的な作品です。
原田さんは東日本大震災の半年前に東北をツーリングしていました。
そして震災まもなくと2年後にも被災地を訪れています。
原田さんのモチーフに表れるテトラポッド。
本来は波の衝撃を緩和させるこのコンクリートの塊が、
浜から遠い所に場違いのように流されていった、
その有様のあまりの不可解さと理不尽さにすでにこのモチーフはテーマそのもの、
あるいは創作のアイコンのようになっています。
床置きのポッドの型に入った用済みの灰。
正面の地平、水平のようにも見える平面作品は絵、ではありません。
これは会期中も刻々と変化するインスタレーションです。
下には廃油(エンジンオイル)が溜めてあり、
毛管現象によって上方へ徐々に上がっていきます。
かつての日本家屋は家の体裁や容量、
日当りにより窓の大きさを設定する必然が当たり前でしたが、
昨今は規格によるサイズから位置なども決定されます。
お気に入りのサイズの窓枠を正統な工法によって表す作品もあります。
ポリエステル不敷布に溶かした鉛をかけた
垂れ幕状の大きな作品もひと際目にとまります。
原田さんが見て、感じ、強烈な印象を持った光景を
それぞれの素材・装置によって作品として反映、再現させているようです。
この会場の良さが存分に活かされた展示でした。
なんと初個展の原田さん、素材は目的に応じて在り表現されるべき、という
明解なポリシーはテクニカルな側面に於いても
妥協しないスタンスをしっかりと提示しています。
大注目の作家さんです。

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「 高見 晴恵 展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.08.12〜08.27【 GALLERYRELLAG 】

ギャラリーは殆どが盆休みに入りました。
さて元々は無人ギャラリーだった「 GALLERYRELLAG 」の、
正に無人の個展が始まっております。
高見さんは京都での個展にはできるだけ足を運びたい、
大ファンの在スウェーデンの作家さんです。

高見さんの制作に共通するのは
「場を磁場に変換させる作品づくり」だとシッタカぶります。
つまり空間と作品との間に静謐な共振をもたらすのです。
僕が見て来て感じるのは高見さんがチョイスする素材の妙です。
布や紙というのは日本人の生活、例えば、設えの中、
あるいは相手への礼を指し示す際の包みや、
建築から道具に至るまで用いられている素材です。
今回は遠目にも至近距離でも実体に確信が持ちにくい
「折れもの」の集積です。
その数、なんと1万個以上!
複数のスタッフの手を借りての長時間の搬入だったようです。
これは約2センチ幅で蛇腹に折った高さ7.5センチの折り紙の銀色だけ!です。
或る人はクッキーなどに使う調理器具に見えたそうで、
この折り方にも高見さんの考えが反映されており、
角度を変えることで光の反射や表情に一つとして同じものが無いというわけです。
単純に見えるもの、単調と受け取られるものに、
見事に息を吹き込む才はいつ見ても感服します。
時間は午前9時から日没(部屋の照明は常に消灯状態ですから自然光のみ)までで
一日の光の移動と強さによって様々に表情を変えます。
会期もまだまだ。ゆっくりとご覧くださいませ。

※加筆:作品タイトルは「 Frost 」霜、霜柱という意味です。
この京の酷暑にフローズンなひと時を!

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