FC2ブログ

豊かなる“夜の必然”を解く…「 中比良 真子 Stars on the ground 」

Category : 現代美術シッタカぶり
9月14日→9月26日【 neutron kyoto 】

極端に彩度を落とした油彩のタブロー。
ホワイトキューブの中から
しっかりと夜の風景を矩形の中に浮かび上がらせる。

CIMG3273.jpg

観客がそこに見る“であろう”想像は
愛おしみ、静寂、安堵、
あるいは帰巣本能を駆り立てるような団らんかも知れない。
闇への恐怖心をこれほどの街のあかりが和らげる。
そこには「棲息」し「生活する」人間という
これまた「光」を作った生き物が何万人とうごめいて、
いや、くつろいでいるはずである。

ここにある蛍のような光の点在は家並みの密度の厳格な尺度となり、
とシッタカぶりつつ書いたところでハタと気がついた。
休日平日の差、時間による差、季節による差が出る。
ハハぁーこれは人間たちの息のかかった厳然とした“生もの”だった。
留守の部屋もあれば、当分帰ってきそうもない部屋だってあるはず。
夜の明かりは今、そこに“居る”ことの証しだから
昼にはないもうひとつの街の“面差し”である。

CIMG3275.jpg

オーナー氏とお話する機会を得て、
なるほど照明ひとつにも、この作品についてしっかり検証されている。
スポットにしてしまうと油彩が故に当然“照り”が浮き出てしまう。
だからいつになく照度が低く、いつもの空間がことさら作品と馴染む。
墨を流したような闇に灯る明かりこそが、これらの妙味であるから。
その対比をこうして一枚の画面に表す、そこから滲み出るマットな
無彩色な街並みのなんとも美しいこと!
これはオレンジがかった電球色ではなくて
あるいはひと気のないガレージをじっと照らす街灯の
クールで投げやりな色。
隣り駅から多くの疲れた人々を乗せて走る通勤電車の色の帯。

CIMG3277.jpg

小ぶりな作品の夜の雲。
見事なまでに暗澹とした空の移ろいを描く。
星は無いのではなく、見えないだけである。
「地の星」とつけられたタイトルに美しい比喩と繊細さを垣間みる。

この個展はサイトで紹介された時から実物を見たくて楽しみにしていた個展。
最終日にやっと拝見することが叶う。
見た瞬間に観客に理解を決して強いない絵というものは
決して作品のサイズそれ以上にならないものと
予想だにしない豊穣なイマジネーションをもたらすものとがあるように思う。

CIMG3279.jpg

CIMG3281.jpg


にほんブログ村 美術ブログ 現代美術へ

↑ポチッとくれたらありがたき幸せ♪


58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

ナミキ・キヨタカ

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
ゆらゆらと過ごしております。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
facebookもよろしくです。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!