「 並木 文音 展 〜 ただ、とりとめのない世界 〜 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2013.11.19〜12.1【 ARTISLONG GALLERY 】

ほんとはもっと早くブログにアップしなければならない個展でした。
というのは当日は作家氏不在で、ギャラリーオーナーは
遠目で撮って全容がわかってしまうと“見た人が行った気になる”ので、
部分的に作品を撮影して欲しいという要望があったからです。
なるほどこれは今後のネットでのアップ条件に大いに参考になるご意見でした。
もったいぶる、というのは確かに必要です。
ギャラリーという現場で実物を見ることほどリアルなひと時はありませんから…
でも正味あと2日という会期になってしまい、とても申し訳なく思っています……

並木さんは同姓という所以ではなく、
2011年2月の大学卒業展でとても印象深い作品を発表していた方でした。
TDLのフライヤーのみで紙のシンデレラ城をつくって、
更にデコレートするというもので、それは決してシニカルでなく、
むしろトキメくハートを端的にシンプルに「愚直」に表現したものと僕は解釈しました。
つまり仮想世界の臨場感を創出させ、そこに身を置くことの快楽こそが、
その一瞬の「リアル」であるということへの端的さと言う意味でです。
行けない人がフライヤーの薄っぺらな世界にひととき没入するのはごく自然なことです。
ちょっと哀しさもそこには漂っていたりするような…
並木さんは様々な素材でそれこそ、失礼な言い方で申し訳ありませんが
「果敢に」制作に取り組まれているという印象がとても強い方です。
そのことはつまり素材に対して貪欲であることが、
そのまま創作力へのエネルギーへと代謝される感じがとても小気味よい、
そして小憎らしいほどに、テーマに関して「素直」であるということです。
押し曲げたり、ねじ曲げたりすることで、
作品としてのエキセントリックさを担保する作品も数多い中で、
とても男前な作品づくりをされる方のようにお見受けします。

ポートフォリオで見た、四方を鉄で囲まれた枡の中で
石をひたすら砕くという作品や
コンクリート製のウェディングドレスなど、
もっと早くに知っておきたい作家さんでした。

先のオーナーの要請通り、ここの写真はどれも作品のアップですので
その全容は全くわかりません。
しかし、安物のデジカメで撮ってみても、
我ながら、この画像から想像される情報量の限定感によって
さらに並木さんの作品への想いはつのります。

淡い憧れを、フェイクな(と勿論わかっている)環境に据え置いて、
我が身を外から眺め見て、楽しんでいる自分を好きになる感覚は
必ずしも女子だけのものではないはずです。
誰もが王女や王子、ヒーローになれる世界は
同時に次の瞬間にシャボン玉がはじけるように儚いものです。
そうです、キーワードは「一抹の儚さ」と言ってもいいでしょう。
私たちがリアルな場に常に身を置くことのストレスは
確かに密やかなエスケープを求めています。

あと2日しかありませんが、
是非会場に足をお運びになってください。
並木さんの振り幅もさることながら、
しっかり作品からフィードバックされるもの、
その手応えがあるはずです。

それでは画像を。

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2011年の卒業展でかなり気になったTDLのフライヤー城です。

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