「 臼杵 春芳 展 ~ 漆山プロジェクトⅡ 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2015.04.21~04.26【 アートスペース虹 】

97%を輸入に頼る漆は、この状況下にあって
今年、或る文化財の修理に純国産の漆が使われ、
要するに切実に、絶対量が全然足りないということになるようです。
で、なんで国産の漆が足りないかというと
単純に漆の木が少ないということになり、
なぜ少ないのかというと需要が少ないということに行きつきます。
こういう話は「なぜなんだ!」といきり立つよりも、
それでは各家庭に漆器がどれほどありますか?ということに
視点を持っていくと、じゃあ、あんたはどうだ、ということになります。
いい漆器には国産の漆が使われる→例えば輪島塗り、ということです。
ギャラリーでそんな話をさせていただいた折に、
京都は徐々に漆器の付加価値が下がっているよ、
なんていうちょっと残念な話を聞き、
つまり輪島あたりはちゃんと国産使って長持ちする器を提供していて、
京都はちょっとね…ということで、
コレは由々しき問題ですね。

「用」としての漆器のための漆と、
現代美術のカテゴリの中で
「どう漆を表現していくか」というテーマとの
決定的な用途の開きのようなものがあるようです。
京都芸大は漆芸に関しては自負しているところもあるようですが
素材<表現方法という感じです。
片や漆器は生活器ですから、素材が絶対的要素であります。
素材としての漆であればチューブからニュッと出すということ、でしょうか。
しかし生活品としての漆器は耐用年数への責任が生じるんでしょうね。
何代にも亘るという、重要なミッションが課せられているように思います。

そんなこんな話題のなかで臼杵さんの面差しは、
こう、ご自分のされていることに人生の確信といった風情があって
説得力も実行力もあって、
なおかつそれをひけらかさない、カッコいい人でした。
3m超の鞍馬の山中に伐採されて(日本は漆掻きをしきったら切るそうです)
3年間眠り、苔むす漆の原木を会場に運ぶ段取りもさることながら、
そこに苗木(3年前からポットで育てていたそうです)を
収めて素晴らしき景色を会場に作り出しました。
作業場での床板も展示され、
アトリエの絵具がそのまま作品になったような痛快な感じ。
と、ひとことで言いますが、
ブログを拝見するとギャラリーまで運ぶに、
相当のご苦労があったようです。
「わぁ、スゴい!」なんて感嘆の声の陰にこうした
プロセスがあることをタダで見る事の出来る僕らは
決して忘れてはいけません。

先の漆不足の話のことですが
このタイトルにあるように臼杵さんは
漆の木を植えるプロジェクトをはじめて
すでに植林しています。
作家さんですが自ら木を掻いて漆を採取し
家具や漆器などを作られています。
ギャラリーで展示はされていますが
いわゆる現代美術、または工芸展というのとも違っていて
当然のように、ご自分が作ってきたもの、
作るべきもの、作る為に必要なもの、そのためにするべきこと、
という明快な提示が成されていることへの清々しさが感じられました。

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※臼杵さんのブログ「うるし掻き日誌」はこちらへ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/usuki54

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