「 伊賀上 空見子 〜 parsley, sage, rosemary and thyme 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2015.02.03〜02.15 【 gallery MARONIE 】

伊賀上さんの作品を最初に見たのは今から6年前。
その時、話されていたのは
この質感を完成させるのに8年かかったということでした。
さらに、これは高校生の頃から構想していたというから驚きです。
見るたびにタイトになっていくという印象に
伊賀上さんなりの「自然な突き詰め感」がじわっと迫ってくるようで
この方はブレない、そんな感じを受けます。
確かに愛想(誤解を恐れずに、ですが)がある作品ではありません。
例えば手にとって愛でるとか、彩色の妙味を愉しむといった
陶芸作品とは一線を画したものであることは確かです。
これが何に見えるのかという、
イメージをなぞらえながら自らに完結させるといった必要もなく
ことさらに声高に訴えはしないけれど
おしゃべりでもないけれど
この寡黙な佇まいが伊賀上さんの最大の魅力ではないでしょうか。
2回目に見た時に僕はブログの締めに
こんなことを書きました。
「伊賀上さんのこの作風はこれからどう変容していくのか、
どこへ向かうのか…
じっくりと時間をかけて、腰を据えて取り組んでこられる
伊賀上さんの作品はもしかしたら、
もっと哲学的な様相を帯びるかも知れない。
年齢やご本人の印象からは計れない
どこか孤高の味わい深さがこれらの作品には潜んでいる」
哲学的な、と書いたのは大げさではなかったなと
今更ながら思います。
そして孤高。

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伊賀上さんの作品を見る時にいつも感じるのは
なんというか、芯の強さのようなものです。
しかし興味深いのはそこに
「込めすぎない」というスタンスも見てとれることです。
今までの3回拝見した個展はいずれも
同じギャラリーの同じ会場で、
これほどに場の空気に見合った展示も
珍しいほどにとにかくフィットしています。
別の階では「容れ物」としての作品が展示されていて
プラモデルで言えば(例えが良くないのは承知で)
バリをあえて残した出来映えになっていて
そこに更なる容れ物としての観念的な空間を
読み取ることもできます。
「置かれる作品」とはまた違った趣きの
リズムが楽しい器シリーズです。

実はこの展示を見て
「うまくは書けないだろうな」という思いは
ずっとアタマん中にあったのですが
やはりうまくは書けていませんね。

何度も言いますが、伊賀上さんの作品は
至近距離で見て細部を検証(見立て)するというよりは
その空間に互いに在りながら、
作品の「際(きわ)」を漂う濃密な空気を
トレースしていくといった感じで楽しむ、
やはりこの方独特の「渋さ」を持ったものです。

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※気になっていたタイトルはイングランド民謡の歌詞の一部ですが、
更に検索してみるとこうあります。
「イングランドの民謡である 「スカボロー・フェア」 は
一説によると、妖精と人間のやりとりで、
魔界の住人である “妖精騎士” が、旅人に無理難題(実現不可能な伝言)を問いかけ、
もし旅人がまともに返答したなら、魔界にさらっていこうとしています。
そのたくらみを見抜いた旅人は
「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」 と
魔よけ効果のある植物(ハーブ)の名を唱えて、
うまく逃げおおせたということです」





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