「 勢藤 明紗子 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2015.03.17〜03.29【 galley MARONIE_gallery3 】

勢藤さんの作品はこのギャラリーで初めて拝見して
自分自身の眼が凡庸な見方以上のものを持っていないとわかったのは
実はこの個展を見た時からでした。
どういうことかというと、誰が見ても勢藤さんの作品を
表現する時の精細さであるとか、かかる時間とか、
もっとくだけて言えば、根気であるとか、
いわゆる「成果」と「時間」との驚異的な出会いに
感服するわけですが、一つ勢藤さんの作品を見る上で
絶対に見落としてはいけないことがあります。
それは「展示の現場」です。
作家というのはとても孤独な作業を積み重ねて
面前に於いて発表するということを
繰り返し行いながら、作風の傾向や
さらなるブラッシュアップを図っているとシッタカぶります。
そしてそれはかなり辛いことだと門外漢ながら察します。
しかし通念として、というよりも
作家自身はそのことをことさらに声高にはしません。
当たり前のことだからです。
ここが「フツー」の人との違いです。
(と勝手にジェラシっているのです…)
僕のような者が趣味がてらにパンパンとキーを叩いて
(実際はそうではありませんが)お手軽に紹介できるような
ものではありません。
しかし何が大事といって、展示現場へ足を運ばなければ
話にはなりませんから、言えば寸暇を惜しんで
ペダルをこぐわけです。
おっと僕の話はどうでもいいです。
つまり勢藤さんの作品をデジカメで撮って
画像でアップしてもすでに僕の持っている
ハードウエアでは追いついていけません。
言葉ではもどかしい部分も多々ありますが
ギャラリーに来て、その眼で見ないとわからないのです。
情報として作品の特性なり作風なりを伝えようとしても
土台無理なのです。
これは以前のレビューでも書いたことですが
勢藤さんはある意味で「自動筆記」という無意識下の反復を
「体動感覚」つまり手先ではなく、体全体を使って描くという
頭の中の観念性に加えて「リズム」を作品に反映させています。
例えばほぼ半数以上の人が例える「刺繍」に似た反復を
作品から受けたとしてもそれ自体はあながち的はずれでもありません。
刺繍も反復であり、自動筆記に近い部分は共通しているからです。
しかし勢藤さんは何がしかの「モチーフを完成」させるために
作品をつくっているというよりも
ステートメントにあるように
「境界も限界も、終わりも無い物語」を紡いでいるのです。
琳派400年記念 新鋭選抜展でも
他の作品と全く違うのは観客の中の「作品の再現性」です。
というのは見た印象の「像の結ばせ方への整合性」に
観客自身がある限界を見てしまうからです。
だから言い方を変えれば真の意味での
作品との「一期一会」を経験すること、と言えます。

現代美術には言うまでもなくいろいろな作家さんがいます。
勢藤さんの作品に強く感じられる
「情報としての再現力」のある種の「限界点」はそのまま
いかに「生もの」を見ることが大切かを
痛感する機会でもあります。

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※なお、facebookでのブログアップ告知に際しての拙文も以下に示しました。
「実はここにアップされている画像を見ても作品を視覚化した情報として伝える結果には残念ながら、これっぽっちもなっていません。勢藤さんの作品への印象、ほとんどの方が感嘆する、その精細微細な出来映えへの驚きを再現しようと試みても限界があります。ここで大切なのは「展示現場」。作家は孤独で辛い作業の「現場」と発表する「現場」との折り合いをつけながらの効果であるとか、演出であるとか(これも充分な付加価値ではあります)あるいは一切の手心を加えない展示であるとか、さまざまですがそれぞれに作家の思惑に沿った環境を作っていきます。ところが勢藤さんの作品はすでに僕のミラーレス一眼では再現力に届かない結果になっています。結局のところ会場に足を運んで“視る”以外にないのです。これは芸術作品のみならず鑑賞する上での定理のようなものとはわかっていますが、ことに勢藤さんの作品に強く感じるのは、そのことがそのまま作品の魅力に繋がっていることに尽きます。アップが非常に遅れてしまいました。以前に5階で行われた「ドライポイント」の作品や羊皮紙に描かれたものも展示されていますが画像での再現はとても、とても…
この日曜日までです。必見です。」


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