「 山部 泰司 〜ワーキングアクア2015 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2015.04.07〜04.19【 gallery morning kyoto 】

本来ならば制作の種明かしを作家本人に語らせることは、
作家本人にとっては再度解説を促されているようなもので
多分にもどかしさを抱えることにはなるまいか、
そんな思いが帰ったあとからじわじわと湧いてきました。
とは言え、それでストンと落ちたことも確かです。
以前から山部さんの絵を見ていて
自分なりの「腑に落ちなさ」というものがあったのですが
それが解明(!)されたことは、
絵についての洞察力のおぼつかなさということを
改めて自覚したということに他なりませんね。
人は風景であると認識した瞬間に
風景であるという検証を無意識下で行っていて、
つまりどういうことかというと
「風景に足るもの、要素、条件」を勝手に確定してしまうということ。
そこで山部さんの絵に出会うと
途端に自分の信じていた感覚が破綻してしまうのです。
この大作などはその「効果」が顕著に表れています。
視点を或るエリアに定める→他のエリアへ移す→異相を感じる、
といった具合に勿論作家は確信犯的に
この構図の歪みを作り出しています。
手前に遠景の樹木を、
逆に遠くのものを中間的に配置する。
剪定されている樹木と天然のそれとが同じ画面の中に
相反しながらも一見、変調をきたすわけでもなく
共存しています(と錯覚させる)。
森の間を流れる川(のような流動)も
それらのなんとも言えない遠近の定理に背く光景の中を
静かにぬっています。
山部さんと言えば強烈な赤と褐色のうねりが印象的でしたが
「自然の樹木にはない色」として今回の青がチョイスされたようです。
青い色そのものは静謐、クール、果ては沈み行くイメージ、
そしてまぎれもなく水を象徴するものですが、
この青の鮮やかさはまるでインクのようにさらっとした色彩ながら、
面相筆で無数に点描のようなストロークを重ね、
山部さんだけのグルーヴ
(音楽に使われる言葉で本来は絵についてはこうは言わないと思いますが)を
作り出しているなと感じます。
エスキースも一切ないということで、
この絵から受ける印象がとてもライブななのはやはり
「沈着と勢い」が同じ画面にあるということでしょうか。

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