「 tracing 1970s 〜 植松 奎二 展 〜見えない力〜 INVISIBLE FORCE 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2014.04.14〜04.25【 galerie 16 】

それにしても植松さんは若々しいです。
1988年にはベニスビエンナーレ日本代表に選出され、
数多くのパブリックコレクションがあり、
世界的に活躍される、コンテポラリーアートの重鎮でありながら、
ちっとも奢らないフランクな人柄と
話しっぷりはとても魅力的な紳士像をうかがわせます。
2013年には彫刻作品を対象とする
国内で最も権威のある賞「中原悌二郎賞」を受賞され、
現在は大阪とパリ、デュッセルドルフに拠点をかまえ
増々精力的な植松さん。

会場には、或る見えない力=磁場が壁際に潜んでいました。
そのわずかな長方形の面積に
ここの重力がピンポイントで凝縮されているようで、
会場を快い緊張とも言える空気で満たしていました。
石とロープと板。
三つの素材が植松さんの手にかかると
まるで魔法にかかったかのように観客の視覚をリテイクさせます。
最初にギャラリー16で発表されてから40余年が経過していても
なぜにこれほどに新鮮なのか。
ここに植松さんの着想と興味の全てがあるような気がします。
さらにオリジナルプリントによる「見えない力」の展示は
当時モーター仕掛けの連写機能などなかった時代に
カメラマンに「石を付けた紐がこういう風になるように撮って欲しい」という
無謀なリクエストを告げて、ひたすらにぶんぶん回し、
カメラマンはひたすらにシャッターを切る、といった
互いの「行為」そのものに今には考えられない強固な意志の
フィードバック=共同作業を見る思いで隔世の感はありますが、
そのスリリングな創作の成り立ちに唸る思いです。
植松さんが開け放ったドアに手足を突っ張っている作品は
何度も見たことがあったので、
公園での植木にロープを括り付けて、
自らを人間という重力に例えながら、そして地球の引力に耐えながらの作品も
果たしてこれは若さゆえの所産かと、
いやいや、今でもインナーマッスルは鍛えられているだろうとふと、
御歳68の、植松さんのお腹を眺めてしまいました。

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