「 あきらめて眠ることにした 〜 森 由紀 展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
歓喜の発露こそ、とだけ考えて作品をご覧になっている方は
多分そんなにはいらっしゃらないとは思いますが、
人間の半分以上はおそらく
それほど愉快でもない部分で占められているんじゃないか、と
天の邪鬼なシッタカは鬱々と思います。
だから当然のようにそんなダークサイドを
キャンバスにぶつけている人もいるわけです。
タイトルから想像される「叶わぬ暗澹たる想い」は
実はそのまま森さんの心性でもあります。
とても正直な方ですね。
丁度、会場にお越しになられた上品そうな年配の女性が
「私は絵とかよくわからないんですが、説明してくださる?」と
森さんに求める、そんなシーンをちょっと遠くから
見るでもなく、聞いてたんですね。
「ええ、これは…」とちょっと困惑した森さん。
「実はあまり説明するのは…」
そうですね、お訊きになられた女性は、
ごく当たり前に「なぜ、こういう絵なの?」という
疑問をそのままサラッとぶつけただけですが、
何せ抽象画です。
作者の真意を計りたいと思うのは人情というものです。
森さんは失恋をしました、とだけ言いましょう。
それだけで充分だと思います。
ただし、それも知らなければ済む話で
絵画とは、その画面から立ち上がるものが、
少なくとも観客に手応えとして残れば
ここに掛かる意味があるというものです。
確かに費用を時間に置き換えたとすれば、
コストパフォーマンスの低い作業であり、
表現方法ではありますが、元より絵を描く人のほとんどは
想定内済みですから。
問題は個々の作品そのものにあるわけで、
で、ぶっちゃけて言いました。
「ここに或る作品はどれもバラバラですね」
「そのとおりです!」
という潔く清々しい反応と笑顔が帰ってきました。
ところどころに見えるのは
ナイフを持った怪物のような自分、です。
「誰も見に来なくていい、とさえ思った」という森さん。
吐露することは、もしかしたら過ちや愚かさや悔しさも含めた
「忌まわしさ」を絵具によって閉じ込める作業でもあるわけで、
厳然として「残る負」とも言えます。
友人たちの「お前は幸せになっちゃいけない」なんて冗談を
もしかしたら真に受けてもいいかも知れませんね。
「言う事なしの人生」という壁に、
絵は要らないかも知れませんから。

m1.jpg

m2.jpg

P9180050.jpg

P9180053.jpg

P9180057.jpg

P9180058.jpg

P9180060.jpg

P9180062.jpg

P9180063.jpg

P9180054.jpg

スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!