「 井上 裕葵 〜 アクセスワール 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2015.10.11〜11.01【 ギャラリーいのくま亭 】

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作品のベースとなるプロトタイプがギャラリーに持ち込まれて以来、
作家である井上さんはギャラリーで制作してきました。
転写されたこのギャラリーまでの道中に、
ここの空気を取り込んで彼女なりに色を加え、
構成し直し、切り、縫ったのです。
その模様を目撃していたオーナーは
さぞかし「冥利」に尽きたとおもいます。
多分作家である井上さんにとっても
ここが居心地の良い空間だったのでしょう。
会場には天井からオブジェがぶらさがっています。
井上さんは予め作ったオブジェをスケッチしながら
自身が作った立体を二次元に再構築しています。
それは光景を自分の目が追っていった=トレースした痕跡とも言えます。
但しこの痕跡には多くの作家の心性とも言うべき情報が
落とし込まれています。
支持体にハサミを入れながら同時に“縫合していく”かのように
新しい表情や風情を作りながら
「作品と作品の外との関係性」に興味を抱く作家の中の「付随的なもの」
(これをパレルゴンと言います)を表現の中から湧き立たせ、
同時にインサートさせて新しい価値を生み出そうとしているのでしょうか。
作家がリアルタイムに自身のアトリエではない制作現場を
新たに創出することは予定調和を嫌う作家の性(さが)であるとも言えるし、
果敢なスタンスとも言えます。
井上さんが絵筆を外界と関わるためのツールとして選んだ理由は、
言葉によってコミュニケートすることを困難としたコンプレックスからの、
他人と関わる術を手に入れる、
すなわち生きていくための必須の手段であったということは
想像するに堅くないと思います。
ステートメントの最後のセンテンス。
「絵画という手段によって、私が何処に立って何を視ているのか、
ということを実感するための旅になる」
この詩的とも思える決意表明は彼女の中にある
「絵画」への憧憬と今、ここに在る現実との大いなる架け橋
(架け橋といえば井上さんは過去に歩道橋で遭ったアクシデントが原因で
相当なトラウマを抱えているらしいのです、これ本当に余談です)であり、
その重さもまた彼女しか知り得ないものなのかも知れません。

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