「 絵画へ捧げる引力 〜 薬師川 千晴 〜 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2015.10.20〜11.01【 Gallery PARC 】

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先の京都芸術センターでのグループ展「ハイパートニック・エイジ」での
大作が印象的だった薬師川さんの個展です。
アーティストトークの質疑応答の中で確か、
実体を捉え、認識することの希薄さについて危惧している、
といった発言がありました。
薬師川さんの画家としての実感とは
「表現に留まらない何か」であることは察せられます。
その時の作品はテンペラ絵具を紙に置いて二つ折りにして転写する、
いわゆるデカルコマニーという手法の後にバラバラにして、
それらをランダムに構成しながら
断片の集積から放つ、土の持つ「かつて何ものかであった痕跡」を
見事に一つの作家の意志として表していました。
それは現代社会が高度に成長化していくにつれて
失うもの=時間の感覚を愛おしみ、生き急がねばならない脅迫観念に対する
薬師川さんの強いメッセージのような気がしました。
薬師川さんの「絵画とは絵具と絵具が引き合い、
隣同士の色とが交わる連鎖により成り立っている。
この意味において、絵画とは絵具と絵具の引力によって
成り立っているといえるのではないだろうか」という視点は、
同時に先の作品をさらにソリッドにし、
突き詰めた要素のみを抽出しながら
視覚的に明解なカタチに仕上げたとも言えます。
絵具と絵具が一枚の紙から互いに影響し合い剥がれていく様は
「引力」というとてもわかりやすい構図で成立していますから、
観客はこれらの作品を見て有り体に言う
「表現としての絵の力」ではない
もっと物理的なもの=絵具の動きを感じ取り、
そこから推し量る時の経過を実感するはずです。
その絵具の動きに見られるイメージは極めて有機的であり、
当然ながら完全に左右対称ではない人間のカタチの在り方にも通じ、
まるで合掌の合わせ目に漂う「念」のようなものさえ感じます。

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