「 インポッシブル 〜 三城 果未 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2015.10.10〜11.15【 KUNST ARZT 】
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600本のペニスのキャンドルと
それに“準ずる”魚肉ソーセージやバナナ、ズッキーニといった
「影武者」たちのキャンドルです。
作家である三城さんはかつて卵巣膿腫の手術経験があります。
ことさらに自分の性を意識する機会や時期というのは
(ここでいうのは政治的とか人権とかではなくて)
人によって様々だと思いますが、
三城さんは病気を患い、手術を経験したことがきっかけでした。
性を自己の臓器から意識するというのは至って健全であり、
特に女性特有(卵巣があるからこの病気になるわけで)の
いわゆる当事者だからこそ感じる「臓器感覚」というのは
厳然とあると思います。
そこからピンク色のパラフィンワックスを垂らして作った
巨大な子宮「母」(2015)や
精子同士がくっついたと想定した
「愛のない日々へ ハートになった精子くん」(2014)などの作品が生まれました。
セクシャルな作品に何事かの比喩や
文学的な味付けなどはここには一切ありません。
このペニスたちの造形も、三城さんの男性器への憧憬の一つの表れであり、
女性としてのある種のオマージュと捉えて差し支えないと思います。
つまり「無いものねだり」でもあるわけです。
股間にあんな妙がものがぶらさがっているのは許せない!と
仮に思う女性が居てもフシギではありませんが、
たまたまアナタが女性に生まれただけだった、と考えると、
例えばこんな代物と一生つき合うはめになることへの
考察の機会を持ってみてもバチはあたらないと思いますし、
人生に深みが増すとも考えられます。
翻って男性諸君には女性器と共に生きることを一生懸命考えていただきます。
ただし、です。出産の痛みを男性が経験したら、
途端に失神してしまうとのデータもあるそうですので、
そこは覚悟が必要ですね。
「あけすけ」とは別の思慮深いテーマです。
いやあけすけでもいいと思います。
表現の発露とは疑問や想像や妄想の果てにあるものですから。
そして、男性器の型取りの話は実にリアリティを伴ったものでした。
加えてこの個展をやるにあたっての周囲の反応も興味深いものがありました。
つまり三城さんはとても素直な方であり、
さらに愚直なほどの表現者でもあるということです。
これは最大の褒め言葉です。
これほどにあっけらかんなエロオモロい展示は珍しいかも知れませんが、
性(的)なアプローチというのは内包しているもの、
あるいはレンジが想像を絶する大きさであることも含めて
様々な示し方があるものです。
三城さんのこの一端は改めて理屈だけではない
「ジェンダー」を考えるいい機会です。

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