「 散歩の条件 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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井上 明彦/今村 源/日下部 一司/三嶽 伊紗
2015.12.01~12.06【 gallery SUZUKI 】

備忘録としてブログを始めたのが2009年の初めですから、
7年にも満たないのですが、
徐々に現代美術の占める割合が増えて、
そんな折に母が入所している福祉施設への道中にある
ギャラリーすずきへの立ち寄りは日課のようになりました。
ほどなく前オーナーの鈴木淑子さんとお話しするようになり、
思い出してみても、もっぱら美術よりも世間話の方が多かったような気がします。
歯に衣着せない痛快なおしゃべりと、
失礼ながら独特な貫禄に最初は圧倒されましたが
「お持ち帰り」な話題を携えて、蹴上を後にしたものです。
大きなガラスのドアの向こうで怪訝そうに中を覗くおばさんたちに
オーナーが奥から手招きすると、
すっと消えてしまうという話は、
オーナー自身が感じていた、
現代美術を気軽に楽しめる環境をもっと作りたいという思いが
中々に叶わないことのほんのささいなエピソードでもあり、
また「夏の暑い時に涼しくて、お茶がいただけて、
その上にありがとうございますなんて言ってくれるとこは
世の中広しと言えどもギャラリーくらいのもんやわ、
ねぇ、そう思わへん?」と
大きな声で笑いながらお話しされていたことを
よく思い出します。
そんなオーナーがお亡くなりになったと知った時、
退院後の様子を一度だけ拝見した時の
何ともいえない複雑な心持ちがよみがえったものでした。
32年という歴史に昨日の午後5時をもって句読点が打たれました。
どなたかがコメントされていた
「道を譲る」という言葉に、
すずきのほんのさわりしかお付き合いできなかった僕でさえ
感慨深いものを感じます。
それもここで展示された作家さんならなおのこと
思い入れやオーナーとの関わりも含めて、
しみじみとアーカイブされることと思います。
オーナーがギャラリーに出てこられなくなってから、
お嫁さんであった京子さんと一番よく話したテーマが実は介護でした。
親がそろそろという年齢に達した作家さんたちとも
介護の話はよくしましたっけ。
最後の展示はいつも通りに、
むしろ淡々と粛々と始まり、そして終わりました。
開催予定の個展のDMのないテーブル。
ポストカードの無い棚。こうして終わって、
そしてまた何かが始まる。
人は常にその中に居ながら前に進むことを余儀なくさせられますが、
ふと立ち止まって考えることこそが
「すずき」からいただいた宿題だと思っています。
こんな美術のど素人に普通に接してくださった
多くの作家さんにも感謝です。
長い間、本当にお疲れさまでした。
そして素晴らしい作品に出会う機会を与えてくださったことに、
ありがとうございました。

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