「 s u r f a c e ~ 奥田 誠一 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
お4

2015.11.21~11.29【 KUNST ARZT 】

奥田さんの作品展を拝見するのは確か3回目になると思います。
和紙を焼いて焦げ目を作る
独特の作風・ディテールが特徴の奥田さんですが、
ここにきてまさしく驚きの変容が見てとれます。
以前は平面作品という印象が強くあったので
前回の上半身が立ち上がるかのような立体作品を見て、
これは何かの前兆を示唆しているのかな、などと
勝手に思い込みながら今回の展示へと続く流れに一瞬言葉を失いました。
いよいよ彫刻、です、
と言ったら怒られるかも知れませんが、
奥田さんがお見えになる直前に岡本さんが言った
「描写力、造形力のあるひと」という言葉そのままの作品たちでした。
木の株にちょこんと座る女性。
作品名は「虚(うろ)う人、株を守りて○○を待つ」というのは
中国の故事である「株を守りて兎を待つ」に由来するもので、
株に衝突した兎を見事モノにした農夫が、
また株で兎を待つという話から
「過去にとらわれ、自分の想いが叶うことを待ち続ける人の
侘しさ、儚さを表現しました。
別室に鑑賞者自身が虚(うろ)な人になれる作品もあります…
一人暮らしの中で亡くなった母は
きっと私をまち続けていたのだと思います(FBのTLから抜粋)」という
作家である奥田さん自身にまつわる悲しい大きな出来事があったことも含めて、
ここに座る女性を、奥田さんを待つお母様にオーバーラップさせておられます。
しかも亡くなられた日が個展開催日の2週間前だったこともあって、
開催についてもどうしようか考えられたようですが
作家として応援されたお母様の意志に添うという決断をされたとのことです。
会場でお会いできた奥田さんと母を亡くした当時の話も勝手にさせていただき、
亡くなったひとに“出来たこと”の足りなさを思うと
やはり寂しくも空しくもなりますが、
人同士の見えない間=距離というものも現世を生きる僕たちにとっては
心身の一種のバランスを保つための必然なのかなとも思いました。
奥の部屋には大きな株から型をとった作品があります。
その中にうずくまるとぽっこりと空いた穴から見える世界との微妙な関係が、
確かにここは「待ち」な空間だなぁと実感させます。
ふと胎内に居る気持ちにさえなります。
開催期日はそのまま喪に服す奥田さん自身の時間と重なり、
この個展は作家さんにとって特別なものとなるはずです。
表層から見えて来るもの、あるいは木の切り株の空間の
「何も無いという在るもの」の容積が教えてくれる意味のようなものも含めて
以前の地面を切り、堀り、驚愕の造形を見せてくれる
ランド・アート「earth revolution」シリーズ、
和紙の重なりで画面がうねるようなダイナミズムの「生々流転」シリーズからの
一貫した制作主旨・主題はやはり脈々と息づいています。
この場を借りてお母様のご冥福をお祈りいたします。

お2

お3

お5

お6

お7

お8

お9

お10






スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!