「 JOEL STEWART PAINTINGS 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2015.02.01~12.13【 アートギャラリー博宝堂 】

親日家であり、日本人の奥様がいらして、日本語が堪能で、日本文化に通じていて、それで、それで…という話から始めると、ジョエルさんの本分が見えにくくなるかもしれませんので、ここではあえて書きません、というよりも、相当書いてますが(笑)。僕にとって初見の今回の個展で驚いたのは、そのレンジの広さ、マッチングの妙でした。先の「確定された先入観」で作品を見てしまうことの危うさというのは日本美術に造詣の深い外国の方の展覧会にはありがちなことですが、ジョエルさんの全方位的なアプローチはおそらくは、その概念を見事に裏切ってくれるほどに痛快なものです。つまり少なくとも“普通の日本人”以上に驚異的に様々な触覚をお持ちで、ジョエルさんが感嘆したり感服したそれらの対象についていかに深い洞察力をもって制作されているかということが作品を通じて見てとれます。南画から派生した水墨画や、陶器の描写に見る「景色」への憧憬、アブストラクトな構成による大胆な画面、あるいは中世ヨーロッパの写実画を彷彿とさせる静物画など、それぞれの筆法に応じた「描き分け方」は、ややもするとこちらの目線が追いついていけないほどにエネルギッシュで、それでいて静謐な側面をしっかりと浮き出させています。夕餉も過ぎた頃の池の向こうの家々の灯りと水墨のアップとの組み合わせにまず驚かされました。水彩が持つ特性をジョエルさんは縦横無尽に大胆かつ繊細に遊ばせながら、その理由・根拠を作品を通じて明らかにしてみせます。この景色がかつて自分の育った場所に思えてくる、と仰るジョエルさんは潜在的な風景を描いたのかも知れません。なんとなくサウダージという言葉が浮かんできます。当日は作家さんととても楽しくお話しさせていただく機会を得て、深い思惟と同時に邪気の無さと、何よりもジョエルさんの制作に対するフリーフォームなスタンスというものが聞いていてとても心地良いものでした。いたずらっ子のようにはにかみながら「ちょっと遊んでみました」と紹介してくださったスクエアの組み合わせ、二つの全く異なる画風がひとつの衝立て風の見せ方によって互いに緩やかな波動を起こす大作など、どれも格別な見応えのある個展の会場に流れるジョン・アバークロンビーがこれまた小粋な空気を醸し出していました。

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