「 四塚 祐子 展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2015.12.08~12.13【 gallery morning 】

版画は「複数枚の絵」である、という多少乱暴であるにせよ、“ そこに” 版画が版画であることの意味や意義が存在するとしたら、モノタイプの版画は手法こそ版画の一種ですが、果たして通常の認識であるところの版画とはやや趣が異なるかも知れません。これはあくまで私見ですのでお許しいただきたいと思います。もうひとつふたつ、無知なる私見で申し訳ないのですが「反復」というキーワードがありますね。そう、版画の段取りです。作家が気に入った刷りのものにシリアルナンバーとサインを入れて、枚数は版の耐久性にもよりますが、まぁ様々です。この「反復」が無いのもモノタイプの特徴かもしれません。なんせ一枚ものですから。「一回性への強い意志」のようなものを感じます。モノタイプの詳細は検索していただくとして、お話しを伺ってとても興味深かったのは版画作品を例えば油画のように木枠に張って完成としたかったという下りでした。普通は刷られた作品が額装されたり、あるいはむき出しのままで売られたりとかしますが、想像するに四塚さんは作品としての体積、量的なもの、重さ、厚み、もっと言えば「作品の存在」に何かしらの作家自身の強固な意志を投影しかったのではないかな、などと穿(うが)ってみます。僕などは版画と聞くとすぐに「エッジ」という言葉が浮かんできます。やはり彫ったり、削ったり、掻いたりするものですから、刷り上がった作品に或る程度のエッジ感というものがあって、次には「コントラスト」という言葉へと繋がっていきます。ところが四塚さんの竹のようにも、落下する水のようにも見えるシリーズ作品はモノタイプということもありますし、さらに表面にアクリルメディウムを6回も7回も塗っていますので、その刷られた表面と観客の目との距離上に極めて薄いフィルターのようなものがかかるわけです。それが作品に奥行きと微細な波動を与えているんですね。だからとても有機的に映ります。奥の部屋の作品はまた別な魅力(夜、遠くの海に小さく光りまたたくもの=四塚さんはそれが好きだそうです)を放っています。もう一つのシリーズは刷毛で一気に書いたような書の一部にも見える作品で、版画という、僕が勝手に抱くイメージ=動よりも静の、まるで真逆な作風になっていて、四塚さんの中の「スピードの単位=時間の尺度」がそれぞれの作品群に反映されていることにも驚きます。大学卒業後にお金を貯めてフランスの画学校へ入学したというエピソードの中にも中々の行動力と決断力が見え隠れします。言葉もままならぬ異国で勧められたモノタイプ。そこで学んだ柔らかな見方・視座や概念が、観客の思い込みに優しくフィードバックし、染み込んでいきます。

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