「 歩く花 ~ 福島 菜菜 個展」

Category : 現代美術シッタカぶり
P2050131.jpg

2016.02.02~02.07【 gallery morning 】

ギャラリーのドアが光に反射して白くなっている。その奥に3枚の大きな「赤」が見えます。反対車線の自転車から見える「赤」の正体を心待ちにします。花が動いています。倍速で成長する花を見るように、背景の線のうごめき、ゆらめきに乗じたように、花は歩こうとしています、というか、僕には花弁が泳いでいるようにも見えますし、また舞っているようにも。花の向こうの文様に何となくアイコンとしてのイメージを抱いた僕が質問すると小さい頃から見慣れていた、福島さんのお母様の仏画の影響ではないか、とのことでした。「だから線にはとても厳しかったです」と。この作品の要はもちろん、花なのですが、僕にはこの背景のモチーフと花との描き分け方の面白さにある、と感じました。花の周りを行列を組んだ生き物たち。花に捧げものをしているようです.第100回記念 二科展の特選を受賞した作品です。世界観がとても明瞭で、かつ画風は幻想的で、或る湿り気を感じさせます。それは花の持つ艶かしさかも知れません。どんな生き物でも、微生物でも菌類でも、それぞれの住処(すみか)=階層があって、それぞれが出会うゾーンが「現世」だとしたら、彼らだけの世界、異界ではおそらくこんな光景が繰り広げられているかも知れません。福島さんが17歳の頃に読んだという夏目漱石の10編の短編からなる「夢十夜」にインスパイアされているのは実際に読んでみて、なんとなくわかりました。そう言えば、花は男に例えられることはまずありません。なぜか、への返答が、生体としての花そのものの構造や面差しに表れているとすれば、なるほどと納得もし、この世に花々がもたらす至福な、儚げな、刹那な美しさというものに、日常の「感け(かまけ)」から目を見張るべきだなぁと感じました。そして花は永遠でもなく、ひとの命も同様であることも含めて。

※夏目漱石「夢十夜」はネットで見ることができます。参考までに↓
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html


P2050132.jpg

P2050133.jpg

P2050134.jpg

P2050135.jpg

P2050136.jpg

P2050137.jpg

P2050138.jpg

P2050139.jpg






スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!