「 skannata / 模写 ~ 吉岡 千尋 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.02.09~02.21【 ART SPACE NIJI 】

かなり昔の話ですが、プラド美術館を訪れた時、模写をしている方の多さに驚いた思い出があります。模写をじっくり後ろから “鑑賞” する観客も相当数おられまして、日本の美術館の違いを実感しました。話はすっ飛びますが「模写」と「複写」の違いとは何でしょう。あるサイトにとても興味深い考察がありました。複写と聞けば「コピー」です。文字通り複製を作ることができます。絵の場合は(例えば描くのなら、ですが)限りなく「そっくりに似せる」というやや手の込んだ工程を必要とします。しかし複写はどこまでいっても複写以上でも以下でもない、という範囲の中で収束するものです。では「模写」とは何でしょう。このサイトの方は「作者と限りなく同化する」ことにあると述べられています。なるほど、この一文は言い得て妙、とても深いものがあります。複写も模写もどちらの「写」も「写し取る」という意味です。では「模する」と「複する」の違いはどこでしょうか。「複」には物理的なニュアンス(例えば写真・トレス・転写に通ずるもの=複数)を感じますが「模」には「近づけるという行為そのもの=単数」への意味合いが感じられるのです。吉岡さんは旅行中に撮影した絵(これは複写物)を全く異なるスケールにおいて部分として模写します。本来ある情報(その質量)を部分的にクローズアップし模写という行為によって「モチーフとして置換」しているのではないか、などとシッタカぶるわけです。だから模写というのは或る種の工程を指したもので「作品」として成立させるために吉岡さんの言語と感覚で「吉岡モデル」ともいうべきものを作ったのではないかな、などと勝手に考察してみます。完成された作品を逆回ししていくと、そこには旅行されている吉岡さんが「視た対象=実体」からの画家として再構成されたタブローがほんのりと浮き出てくるわけです。目を引いたのが二点の貝殻状の半立体のフレスコ画の作品。そのディテールはすでに周囲の空気を変ほんのりと変えるんですね。ちょっとまいりました。加えてあえて表裏を連動させないようなDMの面白さ、秀逸さ。なんだかこの方の洞察力、怜悧な視座のようなものを強く感じた展示でした。

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