描くほどのものでもあるまいに…「山本太郎展 ニッポン画物見遊山」

Category : 現代美術シッタカぶり
山本1

山本2

5月22日→6月14日【美術館「えき」KYOTO】

このブログはrecommendという前提ではないので、
時として「?」の展覧会のコメントも載せるようにしている。
書くなと言われれば、それまでなのだが…

めんどくさいが「能書き」がある。
「ニッポン画」とは、
一、現在の日本の状況を端的に表現する絵画ナリ
一、ニッポン独自の笑いである「諧謔」を持った絵画ナリ
一、ニッポンに昔から伝わる絵画技法によって描く絵画ナリ

入場してから退場するまで約2分…足は一瞬も止まらずスルー。
これほどに見るべきものがない展覧会も最近珍しい。
残念な思いで、あの駅の大階段を降りる…。

大学卒業して9年。
在学中に「ニッポン画」を提唱(!)
2007年に写真の「白梅点字ブロック図屏風」で
現代美術の登竜門と言われるVOCA賞を受賞。

「諧謔」は“解説用語”としてのみあるべきで
作者自らが、自作品を指して言うべきものでもあるまい。
「僕の作品はペーソスに溢れています」というような
作家の小説をどれほどの人が果たして読むだろうか?

作品はうんざりするほど彼のHPで披露されているので、
興味のある方はそちらをどうぞ。

イベントと称して、邦楽、狂言、能楽と会場にてコラボ(50席限定!)企画!
うーん、ちょっと悪乗りな感じも…

日本画の技法で“諧謔的”に現代日本を描く…
現代日本を描く、なんて大上段に構えた言い方するから期待するんです。
僕は屏風絵にカーネルサンダースが組み合わさっていても別にいいけど…
しかし、作者は若いからかご存知ないかも知れないが、
とうの昔に誰彼とやってます。

入り口の解説(こんなものにご大層な解説まで…)に
「朝はトースト、昼はごはん、夜は中華(正確にはどうだったか
覚えてない)の生活、サンドイッチの隣におにぎり…
この日本の独自のマッチングは何なのか…」
言いたいことはわかるが、表現がすでに陳腐。
問題はあなたがその技法を駆使して(と果たして言うほどのものだったか…)
表現したものは、多分制作に要した時間と反比例して
賞味期限も短いものだったのだ。
「足が早い」のであれば新鮮である証拠だが
そんな驚きもシニカルな笑いも、ここには無い。
どこかで昔の「ビックリハウス」でも探して見たらよい。

作者は大学で得た日本画の画法を活かせるモチーフを探したにすぎない。
しかし描き手の哲学が見えないのは、巧妙か稚拙かの話ではなく
突き詰めると「向き合い方」ではないだろうか。
意味など観る側がカラダで(以前も言ったが)感じるべきもので
解説されるものでも無い。
諧謔というのは、漫画の一コマのような早さでめくられる。
しみじみと現代日本の暗部、陰部、不思議さを表現できるほど
彼は少なくとも文学的でも詩的でも無い。

諧謔とは同時に、そこに軽みあるメッセージを含む。
庶民から湧き出る権力への反動、批判。
それが時として良識や常識を突き破る破天荒な作品を生む。
ブレイクスルーできない“諧謔”など
味の薄い茶漬けのようなもの。

※次回のミヒャエル・ゾーヴァ展を楽しみに…しよう…


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