「 水の発音 ~ 林 葵衣 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.03.01~03.06【 ART SPACE NIJI 】

何か言うと「えっ?」と聞き返される確立というのは相当に高いです。これは僕だけではなく、心当たりがある人、多いんじゃないでしょうか。聞き取りにくいという物理的な理由からよりも、言葉そのものに確証を持ちたいという欲求のような気もします。聞き返しが一回もない会話なんて逆に少ないのではないでしょうか。僕がファンである劇団にも、こういうやりとりが多く登場します。会話が細切れなんですね。ということは台本も結構まどろっこしいことになっているということです。「もう一回言って」とは言わずに「えっ?」と応えることで暗に会話を成立し続けようとしている、そんな感じです。会話の中のセンテンスは極端に短いですから。そして、語彙や句読点は一瞬で目の前から消えて行きます。さて話は変わって、この個展のタイトル、いいですね。人ごみの中で聴こえた「water」という単語が思いがけず美しかった、と林さんは書かれています。美しく響く語彙は消えて儚いのに、汚れた言葉は中々消えてくれません。それは皮肉や揶揄、罵声の言葉は深く傷を残すからに他なりません。「あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモーリオ市、郊外のぎらぎら光る草の波」という一節を言葉として口から発せられた痕跡を表した作品があります。これは宮沢賢治の「ポラーノの広場」という作品の冒頭からしばらくの部分です。林さんは2014年から、声の図像化を試みる「phonation」シリーズを展開、今回はその最新作となります。会場の設えはとてもスマートです。当たり前と言えばそうなんですが、回文はビジュアルもシンメトリックになります。そう言えば画像ではわかりにくいのですが、ギャラリーの扉のガラス板に、ルーターでドッドが横一列に並んで、上下に雨だれのように彫られている作品は、ガラス板を外して作品入れ替えたものということで、中々に手が込んでいます。会場内にも2枚が平行に下げられていて、うち一枚は作業中に見事に割れてしまったそうです。缶に閉じ込めた五十音も整然とした「男子そそり系」に仕上がっていました。京都造形芸術大学の情報デザイン学科 映像メディアの卒業の林さんです。

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