京都造形芸術大学 卒業展

Category : 現代美術シッタカぶり
2016.02.27~03.06【 京都造形芸術大学 】
「 菊池 のえる:accumulation〈集積〉 」
「 松本 杏菜:舞子 」
美術工芸学科 現代美術コース(指導教員:竹内万里子)

菊池さんはドローイング、松本さんは映像ですが、どちらも現代美術コースの生徒さんの作品です。菊池さんは何げなく足を止めたショーウインドウを写真に撮って、線画として描き起こしています。これは前景と背景というボーダーライン(それはピントと呼んでもいいかも知れません)を取っ払ってあえて一元化することで、より鮮明に視覚の中にレイヤーとして認識される光景が在るのだ、ということが見えてきたわけです。これは都市空間ならではのモチーフ、というか気付きであるかも知れません。なぜならショーウインドウがある空間というのは明らかに商業空間であり提供者とカスタマーが存在するからです。混在する視覚的情報を細分化、あるいは性質別に分けてみることによって、それぞれの成分が抽出されてくるのでしょうか。提示する側=見せる側=能動、買いあぐねる側=見る側=受動という条件が大きな要素になってくる都市空間。菊池さんはここからヒントを得て進化していくようです。

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さて、松本さんの二つの映像作品「舞子」とは神奈川県川崎市に住む24歳の女性を約1ヶ月追ったものです。見た時は彼女が週2回のキャバクラでの客との会話でした。やがて自室でのインタビューや私生活を交えながら、彼女をとりまく(といってもあらゆる選択は自身の自己責任という形で収束してしまう)環境がそのまま、様々な問題や課題をはらみながら(生後7ヶ月の娘さんが居て、松本さんが撮影に行っている間に離婚しシングルマザーになっている)要は松本さん自身の「社会の見方や生き方」のひとつのバロメーターにもなっています。油画コースに在籍していた松本さんのいわゆる「問題意識」というものは、客観性を重きに置きながら尚かつそこに制作の主体的な趣意・作意というものを明確にしていく手段を探るべく現代美術への移動を図るわけです。つまるところ作者も人間ですから、生きていく上での機微というものに鈍感でよいわけはありません。二つともテーマやきっかけというものは異なりますが、何かに「気付く」ということが制作の大きなステップになるということだと思います。

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