「 Belongings/みのまわり 〜 才田 茜衣 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.03.08〜03.13【 KUNST ARZT 】

以前に或るギャラリストからこんな話を聞きました。個展をします、友達や親戚が来ます、本人が不在時に「これって、どこが、いいんでしょうか?」と小声で訊いてくるそうです。しがらみで個展に訪れるひとには、幸か不幸か僕はほとんどお目にかかったことがありませんが、これは実はとても現実的です。知り合いの○○さんは確か、芸術だかアートだかやってるけど、正直さっぱりわからないんです。私がおかしいんでしょうか? と、こんな具合です。才田さんの作品はとんでもなく乱暴に言えば、ですよ、そう、いう、作品に受け取られてもおかしくないほどに変なものです。だって、ただ、ざっと描いてあるだけだもん…と、いうのは大きな間違いであると気付いた時に俄然、面白くなります。僕は2回目ですが初見時には、ほぼのけぞりました。と同時に、この作家の心象というものに強く興味を持ちました。ヘンテコとブラボーが反語の関係でないことは説明する必要もないですが、この黒い線が、もし描かれたものであったなら、この作品はほとんど葬られているかも知れません。才田さんは版画というものが版画足りえる理由、というものをこの作品を通じてはっきりと示してくれます。この線はとても自由で拘束も制約もない代わりに秩序だってないじゃないか、と怒鳴るひとももしかしたらいるかもしれませんが、落書きから制作が始まるとご本人が言ってるんだから、それは当たっています。しかしなぜシルクスクリーンなのか、という、この作品の要(と勝手に僕が思っているだけかもしれませんが)とも言えるところを正面切って見ていくんですね。勿論最初は線を描くのでしょうが、それをわざわざ(注:このわざわざは、これって何やねん?と思う人用に付け加えたもの)版に起こし、ほとんど本番一発勝負で刷るんです。テスト用に刷れると言えば刷れるんですが、大きな作品では各箇所をバラバラに刷るために、こっちがよくても、あっちがダメということもあります。しかも下地のキャンバスはジェッソを13回もヤスリがけするそうで、本人が言うには「こういう系(系とは言いませんでしたがニュアンス的に)のユルい作品は、しっかり真面目にするところはしなきゃ、ユルいままで終ってしまうんです」という実直さもまた、作家の折り合いの付け方、いやオトシマエの付け方なんだろうと思ってしまうのです。特に石膏デッサン三兄弟は唸りながら、恨めしく物言わぬ石膏と対峙した経験者にはたまらん「苦しメモリアルな亜脱臼系」な作品に映ることでしょう。やることはしっかりやっていることで奇妙なバランス感覚をもたらす作品です。あぁ、こういうの好きなんですが、レビューは難しいです…

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