「 多様性の中の調和・ワンネス 〜 宮本 ルリ子 展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.03.15~03.27【 ギャラリー恵風 2F 】

タイトルの「多様性」と「ワンネス」というキーワードはそのまま、今の世界で起こっている様々な事象、そして人智を尽くしても抗えない自然(その摂理さえ人が歪ませているかもしれない)の脅威やテロへの恐怖へと繋がるものです。多様な人種で構成されている地球という惑星に災厄をもたらすものの根源は「分離感」であると言うひとがいます。「分ける」という意識は区別から差別へと置換・助長され、やがて隔離させ、排斥し、消滅へと恐ろしいスピードで「負の成就」の目論みへと突き進んでいきます。「多様性」という現実と「ワンネス」という精神性、理性の間には埋まらない溝がいくつも、また暗闇を覗き込む様な深さをたたえています。今は閉廊したギャラリーすずきでの昨年の展覧会「日本とアメリカ合衆国の協同制作 〜 宮本ルリ子・キャサリン サンドナス」が宮本作品の初見でした。薄暗闇に並べられた茫洋と光を放つ開かれた書籍は、なんと信楽透土と呼ばれる透き通る土で焼かれた磁器製でした。その素材に出会うのも初めてでした。ガラス成分が混ざった透光性の高いこの画期的な素材でつくられた16個の宝箱が整然と並んだ会場はさながら礼拝堂のように厳粛な雰囲気に包まれています。この箱の中に入れられたものは、個人・団体・国を問わず、ぞれぞれが信じてやまない「神聖な場所」から土や石などを提供してもらって焼いたものです。ここに並ぶことで同じ「場」を共有する、ということは先の多様性に通じ、同時に宗教観といったものへの先入観や概念の「始まり」がどこから生じるのか、と自問させます。僕にとっては決して大げさでなく、その「遠いもの=不可解さ」が増幅されることにより起こりうるものへの意識の喚起を促すものでもありました。階下でのシャオさんの展示と通じる「エゴとの関わり」という精神性と大きくシンクロする個展です。その面差しも柔和な宮本さんですがプロフィールを見てみると相当に精力的に活動されている様子を知ることができます。1990年にはパプアニューギニアへ調査旅行に赴き、村民の家に寝泊まりし、海外青年協力隊に参加し、フィリピンで野焼きレンガの指導もされ、様々な作品制作を行いながら滋賀県陶芸の森の指導員を12年間努め、2003年の退職以来現在まで陶芸作家として活躍されています。宮本さんの作品を見る限り、陶芸という造形(もちろん「土を焼く」という行為そのものから来る原初的な発露というものがあります)を通じて、常に「関係性」を問い、揺り動かし、想起させ「向こう側にあるもの」をたぐり寄せるような作風を感じるのです。※シャオさんとのお話の中、長時間の通訳、誠にありがとうございました。

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