「 また、ここで会えそうな気がした ~ チャーリー S.W.コウ 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.04.01~04.04【 cumono gallery 】

他のギャラリーで見たこのDMを手に取ってみて、会期中に行けるのは今日しかない、と判断し、向かいました。僕にとっては初めてのギャラリーでも結構前から展示はされていたようです。情報に疎いことに反省。スーパーリアリズムというブームをリアルタイムで体験している年代にとっては “まるで写真のような絵” という「言い方・伝え方」にはどことなく免疫めいたものが付いてまわり、実際は見ても大した驚きも感慨もありません。僕がこの個展に興味を抱いたのは、対象となる女性の表情でした。コウさんは京都造形芸術大学の通信教育で学んだ若者です。僕はギャラリーでライブでイーゼルを立てて現在シリーズで手掛けている同級生(だった?)女の子を描いている最中にもいろいろと質問してみたり、自分の感想を述べたり、シッタカぶった見立てをしたりしました。このレビューでもそれを書こうかと思っていましたが、最初に撮影して読まずにいた、壁に貼ってあったステートメントを帰って読んでいるうちに、ギャラリーでの質問が凡庸なものに思えてきました。コウさんの「絵」に対する思いは、当たり前かもしれないけれど自分の生き方にフィードバックしていて、要は「なぜ?」とか「どうやって?」とかでもないもっと心身に密着した糧というか、ミッションなんではないだろうかと思ったのです。開口一番コウさんが言ったのは「やっぱり基礎は大切ですから」という意外な言葉でした。3年前にはサラリーマンだったコウさん。18歳の頃から芸大入学を夢みながらも現実的には実現にはほど遠く、絵を描くことを諦めていた時期もあったようです。「人生は面白いもので、自分の好きなことを我慢すると他のことまでも上手くいかなくなる」と挨拶文にあります。当然、そうなれば初志を具現化するのみです。芸大進学を目標に給料を学費のために蓄え、平成25年に大学入学を果たしたわけです。この回り道はおそらくは長い人生に於いてさしたるインターバルにはならないはずです。僕はこの作品を見て「見たままに描く」ということの難しさをおそらくは誰もが知っているだけに「この道中」は避けて通りたいだろうと察します。デッサンが大好きなひとはそうは居ませんから。しかしコウさんはそうではありません。それは芸大に入学したいと願った18歳の情熱を抱いた自分を裏切らないために「ここを押さえておかねば先へはいけない、基礎ができていなければ、創造的な仕事はできない」という一途な考えを常に留めているからです。この作品が実際にモデルを前にしたものではありません。かかる時間も対象を拘束することもあまり現実的ではないのです。だから一人の女性に300枚もの写真をスナップし、中から5、6点を選び、それを見ながら描いています。ということは立体=実物→平面=写真→コウさんの中で再構築→平面=鉛筆画という過程を経ているわけで、コウさんは顔の骨格や肉付きを徹底的に3D化しながら平面に落とし込んでいるわけです。この展示はコウさんにとっての一区切りとなるものです。今後の活動が大いに気になる素晴らしい作家に出会えて本当に良かったと思います。※プロフィールに自身の「ウィキペディア」が貼られていたのには「やられた感」バリバリでした w

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