「 t i m e l a k e ~ 茶の間 」小濱 史雄

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.03.08~03.20【 ギャラリーいのくま亭 京都 】

タイムレイク編
※「timeline」が、一方向に流れる川ならば「timelake」は湖のように時間が溜まり、あらゆる方向に流れ揺らぎながら混ざっていくような時間のあり方。


先日、或る個展でお会いした福井真知さんが一言。「僕たちは素材から作るということが当たり前の考えですが、彼らは素材をうまく利用します」この展覧会は総勢9人の作家が2つの会場で「timelake」のテーマで様々な展示を行ったものです。いくつかの映像作品の中で、なるほど素材の利用という観点から面白い作品がありました。まずハードウエアであるPCの壁の展示の仕方が今さらながら新鮮でした。さて、グーグルのストリートビューです。普段使いで便利なツールとして認識している分には気が付かない“映像として”の素材の魅力がここにはぎっしりと詰まっているんですね。あの何とも言えない画面の絶妙な歪(ゆが)みや、どうしても生じるタイムラグによる歪(ひず)みがこうした視点によって本来の目的とは異なる素材として作品成立に至っていくという発想がまず面白いです。ストリートビューはネットの回線の強弱を利用したもので、回線が遅いと生じる歪みを編集やエフェクトなしで見せています。ネットに不可欠な大要素である「更新」を利用したものです。別室では一台のPC画面をプロジェクターで投影した作品「デフォルトな宇宙」が、これまた僕などには耳なじみのよい?クリック音をBGMにした映像作品として展示されています。これもネットで必須な「検索」を逆手にとったものと言えます。このステートメントが僕らの世代にはとても興味深く映りました。アップル製品の根底に流れるヒッピー精神、という下りは確かに有名なネタであります。もちろん1991年生まれの映像作家・小濱さんは知る由もない話ですが「サイケデリック、トリップ」というワードについての認識、解釈の仕方が面白いんですね。いろいろとオーナーとも話をさせていただきましたが、この世代間の奇妙な「言葉の一人歩き」感が、かつてヒッピー(まがいの)生活を謳歌してきた僕にとって、こうして何十年も経た今、自分のしてきたこと、あるいは主張してきたもの、さほどイデオロギーも持ち合せていなかった軽薄な己の姿を奇しくも浮かび上がらせてくれたことに、少々の感服すら覚えました。つまりウィキペディアが「言う」ところの概略としてしか、事の真意を得る方法が見つからないということにも一理あると思います。のべつまくなしのクリック音が不快だと言われた観客もおられたそうですが、僕は手描きからマウスへの移行に泣きながらついていった(行かざる得なかった)時代を経験していますから、この音については格別の感慨を抱きます。

小濱さんのワークは → http://fumiokohama.com/

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