「 川島 慶樹 展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.04.12~04.24【 gallery morning 】

いつもの会場を一変させる作品というのは、何であれ、そこに力を見ます。それは素材による物理的な重力や色彩力、圧倒的造形力、社会的メッセージを含む訴求力、そして総合的な印象としての表現力と様々です。その昔、デザインとアートはどう違い、どう交感できうるのか、解釈の種類・性質の差、アートなデザインというものが亜アートなのか、あるいはアートとはデザインを包括できるほどに先鋭的であるべきなのか、かつて同僚と仕事帰りに酒をくみかわしながら口角泡をとばす勢いで話した頃が妙に懐かしいですが、この川島さんの個展を見た時に、アタマをよぎったのは正にアートとしてあるべきデザインのひとつの提示をイメージしたことです。と言うよりも、結果的にはその自信に満ち、かつ大胆であるのも関わらず、なんと柔和な風情に富んでいるのか、に感服させられました。これらの素材は高密度ポリエチレンと超高分子ポリエステルという産業用部材(汎用プラスチック素材)です。わかりやすい例では水道・ガスパイプやビールケースなどに使われている素材で、画像ではわかりにくいかと思いますがとても硬く、川島さんはこの素材を彫刻作品として造形します。表面の鑿(のみ)跡をみるとサクッと削ったように見えますが、すぐに刃こぼれしてしまうほどで、常に刃を研いで制作されていると聞きました。素材は色によって日本では手に入らずにスペインから取り寄せるということです。光によって表情を変えるテクスチャーは勿論ですが、ブルーの抜けの良さは格別です。昔訪れたことのあるスペインの光のコントラストを思い出します。光鏡面はガラスではありません。これも川島さんの、強い制作への芯とも言えるものでしょう。ガラスは貼り合わせのためにどうしても接面部分にわずかな隙間ができます。ステンレスを用いることでレリーフされた造形との完全なる一体感が生まれ、インターバルを置かずダイレクトな直感的奥行きを作り上げることができます。モチーフは一見してボタニカルなものですが、奥の部屋にあるペインティング(これがまた素晴らしくいいのです)を見ると、微生物や有機的なアイコンのようにも見えて、ユーモラスでありながらもキチンと「デザインの創意」が見て取れて先の、デザインとアートの関係性・往来が(説明できないのですが)とてもスムーズに受け止められます。しっかりとした仕事、魅了するデザイン、環境を作るアートという3つのファクターをしかと実感した個展でした。

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