「 D I S T A N C E ~ 水野 悠衣 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.04.23~05.08【 ギャラリーいのくま亭 】

3年前の初見時に水野さんに(おそらくは想定内だったでしょう)
「デジタルを意識されたことは?」と質問したところ、
予想どおり「No」でした。
僕もこれらの作品からデジタルとかアナログとかについて
特別に連想したことはありませんでした。
見る方(それはどういった職業であるとか、年齢にもよります)が見ると
これらのモチーフ(と言い切っていいのかは別として)の解釈や
受けとめ方に微妙な違いが出てくると思われます。
この正確なドット(といっても正円ではありません)打ちに単なる反復を越えた
優れて色彩的な計算が成されていることに気がつくのに、
さほど時間はかかりません。
これまでの展示は全く異なる色合いの作品を隣合わせにしたものもありましたが、
やはり一点ずつのレイアウトを考えながら
壁面に展示されているであろうとする予想をはるかに裏切る、
思わず唸る展示。
ギャラリストは壁一面だけを使うとの水野さんの発言に
困惑を隠せなかったようですが、
しかし、この展示は成功しています。
先の見る人が見ればのデンでいけば
まるでテキスタイルのサンプル表示のようでもあり、
絵画作品というよりもデザイン性の高いインテリアであるとの見方もできます。
こうして一堂に会するという英断にまず拍手。
僕たちは作品それぞれにそれぞれの世界観を反映させながら鑑賞しますから、
こうした展示にとても新鮮さを感じるのです。
かねがね思っている「抽象の面白さ」に改めて気づく機会であり、
壁そのものを作品と見ることもできます。
ともあれ、仕事をしながらの制作というものの辛さばかりを想定するなかで
当の水野さんは黙々と粛々と筆を置いていきながら、
やがて訪れるであろうトランスに身をゆだねながら、
ご自分の作品が求心的なスパイラルに向かっていく過程をも楽しんでおられるようです。
じっと見ていると環境音楽があるように、
環境的抽象画と呼んでもいいかなぁ、などと勝手な見立てで楽しんでいる自分が居たりします。
このスタイルはかれこれ8,9年程前からだそうで、
なんでもビルの窓をひとつ一つ描き込んでいるうちに
表現者としての方法論的自己定理を見つけられたようです。
窓であることの「伝え=説明」から「そのもの=記号化」への
ミニマルな置き換えが成されたのかも知れません。
それと大きなポイントは画材が水干(すいひ)であることです。
岩絵具の下絵にも使われるこの画材は
マットな風合いで均一に表現できる特性も持っています。
「光景」からインスパイアされた日本画とも言える作品です。

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