「 丸尾 康弘 木彫展 ~ 山の様に 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.06.07~06.12【 gallery MARONIE 5F 】

「山の向こうに巨人が座っている夢を見たんです。
その形がずっと頭の中に残っていました。
それからあの震災がありました。
住まいの群馬県桐生市も相当揺れましたね」

大震災というリアルは、当時全ての創作者たちにとって、
着想、発露、趣意、主張、つまり作意をプレゼンテーションするという機会を
「無意味」なものに変えてしまうほどの現実感を突きつけることになりました。
会場の手前に並ぶ小品のひとつは制作年が2011年。
この作品を掘っている最中に起こった前代未聞の災厄と、
今自分がしている “仕事=つくるという行為” との言い尽くし難い乖離に、
丸尾さんは思わず台座部分に思いっきり斧を打ち付けたのです。
見せていただいた台座の裂け目は、しかしその後丁寧に埋められていました。
きっと丸尾さんにとって忘れ難い作品となることでしょう。

丸尾さんは群馬に住みながら郷里である熊本県山鹿市のアトリエで制作されています。
幸い震源地からの距離はあったものの、
ここでも天災を身近に意識することに。
何ら創造的な仕事に従事しているわけではない僕は、
当時の作家の悶絶や慟哭を知る由もありませんが、
震災の言葉が彼らの口から出るたびに同じ質問をしています。
「その空白をどのように埋められましたか」

やがて作家たちは自分のサイズとあの、怒濤の映像をどこかで重ね、
徐々に折り合いをつけながら、
やはり自分にできることを精一杯やることが
「生きる→生き続ける」という強い意志を表すのだ、という
答えに辿り着くのでしょう。

さて、この実に“難しい”会場の中で奥に展示されている大作から
じわりと染む半径の大きさは、
この体積に決して臆さない存在感を放っていました。
ドローイングもまた木彫としっかりと繋がる作風です。
山のような大男のかしげた表情から様々な作家の心性が読み取れ、
また丁度心臓にあたる部分にぽっかりと凹みがありました。
尋ねてみたところ、掘っていたらポロっと落ちた「死節」だそうで、
これも何かの知らせかと思い
そのまま作品にされたそうです。

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