「 中山 和也 展 〜 地図しかない 」
Category : 現代美術シッタカぶり

2016.06.24〜06.30【 Social Kitchen 2F 】
惜しまれて余儀なく閉廊した「立体ギャラリー射手座」での
2010年の中山さんの「個展」を見て、
抱えきれないほどの荷物をお土産に帰った思い出があります。
これはあくまで、カギカッコの個展、です。
とっても端的な言い方ですが、中山さんは「作品を作らない作家」という、
仮にXY座標の分布図での立ち位置を想定すると、
かなり辺境な位置に居る作家さんだと思います。
現代美術の展覧会を「発表の場」であると認識、
あるいはそう “期待” される向き(というか殆どそうですけど)には、
相当に “堪(こた)える” 作家さんでもあります。
もったいつけないで言うと、例えば僕が初めて中山さんの名前を知った、
先の個展ではギャラリーの間取りを全て時計回りに配置換えをするというもので、
そこに作品は全くありません。
ですから僕がギャラリストと話をしている間に来られたお客さんも
ほぼ「?」の状態で帰っていかれました。
なんせ会場に入ろうとするとギャラリストから
「そこは事務所ですので立ち入り禁止です」ってたしなめられるんですから。
さて、僕自身は即物的に美術を見るとか、唯物的に考えるとか、
そんなことは語りません。
やったら最後、僕のような浅学者にはドツボにハマる結果が見えていますから。
今回の「個展」は…なるほど、と膝を打つか
(今時そんなゼスチャアする人は居ませんね)
目をきょろきょろさせて “何物かを探すか”
それとも観客である自身の居心地の悪さをこれでもかと思う程に強烈に感じるか、
怒るか、笑うか、呆れるか、
どうかはわかりませんが、
会場には「作品」はありません。
あるのは緑色の付箋に書かれた
「ことごとく、そこでは、何も、起こらない」というメッセージだけです。
フランスに行かれるとかで勉強も兼ねてフランス語も併記されています。
もしかしたら日本語すら要らなかったかも知れないほどに、
潔く、果敢(多分中山さんは飄々とされてるんでしょうね)な展覧会でした。
HPでどっぷり浸かってくださいまし。
※モザイク処理は当方でしました。
http://www.rajarecht.nl/






