「 来田 猛 個展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2016.09.06〜09.11【 アートスペース虹 】

前にも語ったと思いますが、写真に限らずレーダーチャートを描くクセがあります。
写真についてはほぼ無知なので、
結果として鑑賞の妨げになるかも知れないのを覚悟で、
その写真はどの“ポジション”にあるか、というのを意識的に考えます。

来田(ころだ)さんは主に「風景」を撮影されています。
これとて乱暴な断定の仕方だとは思いますが、あえて言えば、です。
「或る瞬間」をキャッチングして、
フレーミングして、ジャッジして、押す、というのが
写真家の流儀であるならば、来田さんのそれは実に謙虚です。
どういうことかと言いますと
「今日は撮影しよう」という姿勢で臨まれる時には、
やはりそうでない時には見えないものが見えてくる、ということ。
しかし、相手=自然について、被写体として最良の瞬間を
ひたすら“待つ”という感覚は持たない、と言われました。
突き詰めれば、それは対象としての自然を
限りなく自分の元へ引き寄せてはいないか、ということになる、と。
だから「いい光」なんて待たない。
それによってコントロールすることを極端に嫌うのです。
画家である奥様のスケッチの現場で見た風景が良くて、
後日に遠い道のりを再び訪れ
「あの時の心のざわめき」を転写すべく挑んだ機材はなんと4×5です。
僕も長いことプロカメラマンと仕事をしてきましたが、
4×5か、ブローニーか、35mmという判断はカメラマンに一任しています。
それだけカメラマンを信用しているわけです。
来田さんは4×5の機材を使いながらも、
その仕上がりはほぼ2Lかと思うほどです。
おそらくは初めて来田さんの作品をここで目にした人は
「なんて小さいんだろう」と思われるでしょう。
「この風景を大きく引き伸ばしたサイズで見せたら
脅迫的に“写真を読め”という
ゴリゴリに作品に観客を引き寄せるだけのものになる。
僕は観客側が作品に入っていくようなものを撮りたいし、
そういう大きさにしたい」と明快な言葉。
小さくて、粒子が詰まっていて、濃厚かつ重厚な、
こういう写真展はもしかしたら初めてかも知れません。
抽象画のような、線画のような、
来田さんの直感が作る光と影のコンポジション。
展示のレイアウトも素晴らしく緻密で、
快い緊張感に満ちたものでした。
なお、作品を寄って撮ってしまうと作品のスケールが伝わらないので、
あえて引きです。
こういう感じである、ということです。

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