我ら※の国の者…「大島孝之展」

Category : 現代美術シッタカぶり
大島氏1

大島氏3

7月21日→7月26日【ギャラリーすずき】

突然だが、※印(こめじるし)と読んでいるものは
日本オリジナルのいわば“サイン”である。
*←アスタリスクの日本版と考えていいが、あくまで出自は「米」である。
米屋の看板、あるいは米屋のアイキャッチと考えていいと思う。

大島氏4

作家のDMにあるのは直系2メートルほどの薄い円柱を横に3つ並べたものである。
この印象は一言で表現すると理数系の気難しさを感じてしまうので
とっつきにくい人かなぁと思いつつギャラリーへ。

ところが、この作品ではなかった…
今回の新作は巨大な標本箱の中に無数に詰まった小判型の紙片。
ガラス面に生じる静電気のために落ちずにへばりついている。
観客参加型、進行形型のインスタレーションだ。
蛇腹状の紙にはさみで切り込みを入れて、今日の分の標本箱に入れていく。
一日に一枚の標本箱を完成させる。
実はこの紙片は「コメ」。無数のコメ粒が箱に封じ込められている。

作家の実家は農業を営んでいる。
このことが一貫して「食」をテーマに取り組んでいる大きな理由であるようだ。
同時に料理の腕前も中々のもの。
DMの大根の輪切りのようなオブジェは間に人を入れて
「モスのライスバーガー」に見立てたものだと言う。
実際その行為に及んだ証拠写真も拝見したがなんという無垢な発露。
理系の匂いを見事に打ち消す大胆さ“お茶目さ”が大島氏の持ち味と見た。

作品が何を語るかという思いに捕われて過ぎている自分が時々居る。
実はそれは大した問題ではなくて、
その“作品という物体”から自然と沸き上がってくる“イメージ”が
作家や周辺の人間たちとコミュニケーションをとることで
次第に形となって浮き上がってくることがある。
それをスルーしてしまってはもったいない話だ。
だから作家と会話をすることはとても大切だ。

今回は「コメを考えるワークショップ」に参加しているような感じ。
日本人からコメを取ったら何が残る?
コメ以外のもの、全てが残るだけさ…それがどうした…
と、ここまで欧米の食文化にかぶれちゃいない。
およそ日本人たるもの、根っからのコメ好き。
この桜散る風情にも似たコメ型の紙片は
何気に食卓にのぼる「ご飯」とやらへの“広く浅い”思いを
“深く愛に満ちた”思いへ変えてくれるのだろうか。
ハーベスト、ハーベスト…

大島氏5

一方、会場にてコツコツと作品づくりに精を出す奥方の作品は
素材の目の着けどころに「座布団三枚あげちゃって!」の
小品ながらスパイシーな出来映えの「切り絵」である。
まるで絵本の挿絵のような、丁度頃合いの重量感が心地よい。
合板の表面にデザインカッターで切り込みを入れながらの
イラストレーションは素地が出来ているだけに
軽妙で可愛らしい。確かにツボを押さえている安心感がある。


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