「 Forest of gretel ~ Kanae Tsutsumi Tapestry Exhibition 」
Category : 現代美術シッタカぶり
2017.04.18~04.23【 同時代ギャラリー 】
作家である堤さんにとってはフェバリット以上のものかも知れない
「ヘンゼルとグレーテル」のお話は
テキスタイル作家としての
「いつの日か叶えたいモチーフ」でした。
大祖母は土葬だったという、或る作品のキャプション。
自分たちが生態系の一部だということを強く認識された事実そのものが、
現在の作家性に大きな影響を与えているようです。
粘菌類や森に潜む様々な生き物、植物に魅せられていく堤さんの織る物語は、
僕たちが読んできた「語り部からの視点」ではなく
妹グレーテルが見たであろう景色を作品にしたものです。
森を分け入って見えた魔女の住むお菓子の家ですね。
入った瞬間に照明の加減もありましたが、
舞台装置のように浮き上がって、
この大作の前でパフォーマンスをする光景が目に浮かびました。
「いつか展示空間を森にしたい」とおっしゃっていた堤さん、
また叶えたい仕事ができたこと、
作家の貪欲な夢はまだまだ続きます。