レトロモダンなペーパーモビール…「音藤喜美展」

Category : 現代美術シッタカぶり
音藤1

音藤3

9月22日→9月27日【ギャラリー・すずき】

音藤さんは個展の度に違う顔を覗かせるようで
検索してみても今回に類するような作品は見当たらない。

書家である音藤さんは常に“紙”と向き合ってきただろうと思う。
奇しくも先日、同じく書家である方の個展に伺い、お話を聞いて、
文字を書く(そんな単純なものでないことは重々承知の上で)
という、或る制約の“外側”に立って
表現活動をされる方が意外と多いのに驚く。
とりもなおさず、それは描かれる素材である
紙への執着から始まっているからではないか。

時折遭遇する「個展のDMから予想するな」的展開である
今回の内容は赤、青、白、黒の4色の紙彫刻。
額に納まっているのはヴィヴィッドな切り絵作品。
全紙であろう4色の紙は、カッターで切り目を入れて
あるものは曲げ、組み入れ、あるものは切ったままの状態で
平行にそれぞれ何十枚も吊られている。
どの作品も作家と作品である紙の間に和的な要素が介在しない。
少なくとも僕にはそう見える。
古き良きレトロモダンな家具のような明るさがあって
何かを“訴える”といった主張よりも、
モビール様の4つの造形を壁に見立てたり、ついたてにしたり、
置物と解釈してみたりして楽しんでくださいといった
肩の凝らない作風となっている。

聞けば、朝方まで制作に取り組まれていたようで
心なしか音藤さんもお疲れのご様子。

グラフィックデザインを生業にしている関係で
紙とはそれなりに深い付き合いをしてきたつもりだ。
「紙は生きている」と口すっぱく言われてきた。
切っても、折っても、曲げても紙には“復元”しようとする
ささやかな(物によっては強大な)力が働く。
一見素直に応じるようで、中々にしたたかな一面も紙にはある。
実はそれこそが魅力なのだが…

さて音藤さん、お次はどんな“顔かたち”でお出ましになるか…。


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