人間という危険な動物…「高木 智広 LOVE IN VAIN?」

Category : 現代美術シッタカぶり
タカギ

11月17日→11月30日【後素堂ギャラリー】

かのロバート・ジョンソンでおなじみの
スタンダードブルースの曲名をタイトルにした個展。
?マークがついているが気になる。

プロフィールによれば、
高木氏は子供の頃から動物が大好きで動物図鑑を模写して育ち、
動物を特別な存在として認識していた。
作家が若い頃に訪れたパプアニューギニアでの自然と人間の関係に
実は人間も自然の一部であることを強く感じ、
人が環境を制御する現代社会に対して疑問を抱く。

過去に発表された「人が演じる動物園」シリーズは
ファイルをめくる手が一瞬止まり、
大袈裟でなく瞳孔が開く思いだった。
動物のかぶりものを着た人間たちが
自らの意志を剥奪されたような悲しげなやり切れない表情で居る。
作品から漂うかなり奇異な発想は、
動物保護だの愛護だのの啓蒙的なものではなく
全ての生き物を絶滅に追いやるのは間違いなく人間であるという
切実で、避けねばならぬ未来像を描いている。
動物たちの声なき復讐とでも言うべき呪縛がそこにある。

作家の作品のトーンに見覚えを感じた。
第一作目の画集が遺作集となってしまった石田徹也氏である。
どちらも見た者にじわりじわりと迫り、
静かに浸透していくような絵である。

高木氏自身の痛切な思いや人間の自然に対する
思い上がった欺瞞が今、目の前で展開されているが如く
細部にわたる高い描写力で訴える。

少女が町中を裸で歩く「LOST CAT」。
頭に猫のかぶりもの、猫の手袋、猫製の歩く履物、
腰蓑のように猫をまとわりつかせ、
白日夢のようだ。
猫に憑かれたのか、文字通り迷い猫たちの死に場所へ向かうのか…
電信柱のポスターは「高木ぽち雄」

ぽち雄は「愛犬家」で再び登場する。
犬のかぶり物は二度と取れない呪われた仮面か。

そこには“動物を飼う”という唯一人間だけにある特徴が
負の特権として浮かび上がってきたかのように見える。

動物たちへの惜愛と憐憫の情を込めた、
一度見たら忘れられない絵である。


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