This is new japan…「の飾り」展

Category : 現代美術シッタカぶり
CIMG0283.jpg

CIMG0257.jpg

CIMG0259.jpg

CIMG0261.jpg

CIMG0264.jpg

CIMG0262.jpg

12月8日→12月20日【ギャラリー恵風】

江戸時代に長崎の出島からヨーロッパへ輸出され、
絶大な人気を博したという漆器。
japanから来た、この神秘的な美の使者に
japanと命名することが当然であるかのような素晴らしい原理。

9000年にも及ぶ漆との関わり。
“木の国”である日本が、放っておけば朽ちて腐り、やがて消滅する木に
漆を施したことは日本文化に“幸福”な歴史の1ページを記したと言えよう。
不思議なのは木が自らの傷を塞ぐために出す樹液が
こうして耐用性の極めて高い
コーティング機能や接着力を持ち備えていることである。
森に生きるものから、さらに新しい価値を持った“生き物”を作り出す
漆工のダイナミズムが今回の展覧会でも窺える。

現在京都市立芸術大学准教授である漆造形作家の栗本氏をはじめとした
京芸の漆工専攻で漆芸を学んだ五人の若い作家展。
螺鈿や蒔絵などを用いた加飾技法による装飾表現を作品に活かす
作家たちである。

漆とは誰でもが画材店で気軽に購入して、という類いのものでは勿論ない。
まぎれもない、技術の果てにある表現手段であり
その出自も自然界からの授かり物という明白さである。
だからそこに漆だけにしか与えられない価値があり、
そこをクリアしなければ、“したい”形や表情を自分なりに
作り込むことなど到底出来ない。

工程としては職人そのものだが、作家ひとりひとりのテイストを
自分ならではの“造形”に反映させているところに
現代美術としての漆の妙味があるのだろう。
しかし、見方を変えるならば、美しくない漆など、
この世には存在してはならない、と
いうところから全てが始まると(漆の価値などそこには無いかの如く)
その“箍(たが)”は外せたたくても外せそうにない。
もっともそれは漆という名前では呼んでくれそうもないが…。

全身画鋲のクマ。
流れるようなフォルムの木片に鱗のように施された螺鈿。
茄子のような牛のような漆黒の塊。
土俗的なモチーフと色合いが力強いもの。
盤面の宇宙を突き詰めた構築。

それぞれに「飾り」を楽しんでいる。
加飾は過飾になる危険性をはらむが
それぞれの作品はそれぞれの作家なりに
いわば“おとしどころ”を意識して作られているのだろう。
トリッキーなものはやはり“それなりに”漆という“武器”あってのもの。
最終的には作家もやはり日本の風土性や精神性を
わずかでも作品に反映していくだろう。

だからこれがギリギリかと思う作品もなくはない。
例えば漆でミッキーマウスを表現することの意味、と相通ずる。
問題はその先である。その先に何があるのか…

僕が考える“漆の不自由さ”というハードルそのものが
漆でできているという面白さになればいいと思う。
ただし漆がロジックに陥ってはいけない、とも。


スポンサーサイト

Comment

これからの「漆芸」は とても難しい。
過去の延長で営々として 伝統的な「漆芸」を追求していても 先細りの感がある。
ますます普段の生活、一般の人から乖離してしまう。
「漆」のとらえ方によっても 違ってはくるであろうが
方向性が曖昧では将来が見えなくなってしまいそうな気がする。 
漆は美しいし 魅力がある。
素材としても 優しい。
今 漆を採集することも 難しくなりつつある。
そのあたりも 考えながら取り組むべき物だと考える。
漆=ジャパンである。
9000年の歴史あるものである。
日本人の文化の一つとして 大切にすべき物と思う。
 

to imari

確かに聞きかじったところでは
日本の漆が底をついた時、
どうなるんだという懸念は
決して大袈裟ではないようです。

漆が持つ、ある意味有無を言わせぬ
「説得力」というのも常にセットに
なっているでしょうね。
漆作家さんの個展を見るたびに
そんな気がします。

まぁ、本音を言えば憧憬のまなざしと
いったところでしょうか。

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!