こんなにも優しい石、凛とした樹たち…「田村博文 STONE その不思議なる地球遺産」

Category : 現代美術シッタカぶり
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12月3日→2010年1月22日【BAMI gallery】

石と聞くと、あるいくつかのイメージがアタマをかすめる。

1. つげ義春の「無能の人」
2. 賽の河原で石を積む子らと鬼
3. 人の最期は石の下
4. イギリスのストーンヘンジ
5. 山頂に積まれたケルン
6. 趣味の最終地点に石がある…等々。

さてタイトルにはSTONEとあるが、素材は40種にも及ぶという樹である。
いにしえより人々は樹に精霊が宿ると信じてきた。
古代イスラエルのアカシア
北欧神話のイグドラシル
サバンナに立つ異形、バオバブ
クリスマスのヤドリギ
古代中国のイチョウ
ハワイのコアウッド
沖縄のキンコウボク
エストニアのカシ
ケルトのヒイラギ
インドのマンゴー
地中海沿岸諸国のオリーブ…数え上げたらキリがない。

石をつくる。
妙な語感だ。
つくっているのは石で、できているのは樹。
プレスリリースにある作家の言葉の中にある
「樹で石を創り続ける行為の中で様々な事を思い、考え、やがて無になっても
それでも創り続ける。時には激しく、時にはやさしく、荒々しい水になったり、
岩となってぶつかったり。(中略)こんな行為を大切にしている。」
またこうも語る。
「樹の精霊の機嫌を損ねることなく石になっていただけるように
日々想いを念じて制作している。」
これは経年の果てに角のとれた石の様子を樹に託したものなのだろう。
それほどに石も樹も作家にとっては愛おしい大地の所産であり、
この象徴的な自然物に強い精神性や信仰性を感じているのであろう。
ケルンやストーン・ヘンジが意味する“暗示された記号”は
作家が言う「緊張(tension)」を生じさせ、独自の磁場を形づくる。
これほどの数の作品は全てこの個展のために創作されたもの。

作家はインテリアデザイン事務所に入社後、
大型商業施設企画・設計、テーマパーク、文化施設企画・設計などを手掛け
退社後5年目で朝日現代クラフト展で優秀賞受賞という
ユニークな経歴をもつ方である。

勿論見ておわかりのように根気が要る作業であろう。
作家は京都芸大という校名の前の京都市立美術大学工芸科を卒業されている。
現在の芸大漆工専攻である。
なるほど、このじっくりと「時」と共に徐々に自分に近づけ、自分のものにし、
自分の形にする過程そのものは漆工による“免疫”が出来ていたためだったのか、
などと思わずひとりごちてしまった。

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Comment

見入ってしまった!
この「石達」すごいです。
素材の木を40種 集めるだけでも頭が下がります。
木を漆という触媒で石に変化させる・・・
実に面白い、この作品 大好きです!

実物 間近で見てみたいし できることなら 触らせていただきたい。
手に持ち 感触を 確かめたい作品群です。
温もりを感じさせてくれる 優しき「石達」に会いに行きたい。
私も 自分の「石」造ってみようかなぁ・・・と思いました。
これは いい。
実に いい。
白い石は 漆に顔料を混ぜたのでしょうか?
この石の大きさは どれくらいでしょうか、
聞きたいこと たくさんあります。
うーん、やはり 実物の石達に対面したいですね・・・好きだなぁ。。。


to 伽羅

写真ではわかりにくかったようですが
これ自体に漆は施されてはいません。
素の状態です。塗装したものもいくつか
あるにはありましたが…。
会場では自由に触れます。
大きくても軽いのや
小さくても重いのや…それも面白かったです。
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