世界に誇る手の上のビオトープ…小盆栽フェアー「雅風展」

Category : 現代美術シッタカぶり
雅風

1月3日→1月6日【京都市勧業館みやこめっせ】

さて2010年の年明け最初は
この時期のゆるりとした時間にふさわしい盆栽鑑賞。

小さい時から家で、よく手入れされた
200は下らない盆栽を見て育ってきたので
特別に“年寄り臭い”趣味とも
縁のない世界とも思わなかった僕自身は
この35回を数える初春恒例の雅風展は
一度是非観ておきたかった展覧会だった。

一時期ブームになったパラダイス山元の
「マン盆栽」などの方などへは話はいかない。
あれはあれであれであるから…。

ここでは全国の愛好家が丹精込めて培養した
「小品盆栽」と言われるものが展示されている。

五葉松、黒松、赤松、楓、欅、カリン、ウメモドキ、柿などが
ジオラマ(これを言われると憤慨するかも知れないが)的な
尺度で、しかも威風堂々とお目見えする。

盆栽は一尺八寸以下、小盆栽が五寸以下、
さらに小さいものを豆盆栽と呼ぶ。
掌上の芸術とも例えられる小盆栽や豆盆栽は
いかに“小さな木を大木のように見せる”かという
言うなれば「背反二律の世界観」を表したもの。
この快い矛盾は果たして日本人独自のメンタリティに
よるものなのか。
欧州のドールハウスとも趣を異にするこの感覚。

専門家の講釈はさておき、
そしてどう“具体的”に素晴らしいのかはさておき、
これは世界に誇る日本の宇宙観を表現しうるに
最適な装置であると確信する。
盆栽の出自はどうやら日本のようである。
盆栽の「盆」は鉢のこと、「栽」は樹を植えること。
生け花はその構図とも呼べる絶妙のバランスを楽しむ。
やがて時と共に果てる。
盆栽は形をつくるまでの“手入れ”と“見極め”が
そのクオリティを決定づける。

これをミニマムな日本美の結晶と捉えるのも
生きているオブジェと感じることも
どちらも許容する“小さくても太っ腹”な盆栽。
ウンチクをスルーして、
可愛い景色を眺めつつ、鉢からはみ出た景色へと
さら想像を逞しくすることに快感を覚えるなどという
考えてみれば奇異にも映る会場のマニア諸氏たちの
なんと無邪気なことだろう。
改めて日本人の“ものの見方”の不思議さと
美的感覚の特性を浮き彫りにする素晴らしい展覧会である。
また会場では即売する店が20は軒を並べていて
今見て来た作品の“記憶に近い”か
“手入れによっては将来的にそうなるか”を
楽しむ方々で賑わっていた。

難を言えば展示ポジションが低いこと。
目線ほどの位置まで上げて観れば、さらに世界は広がるはずなのに…。
それと入場料をとるのに中で即売することにも理解しかねる。

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