居たことの無い世界を見る…「藤原 康博 記憶の肌ざわり Memory's feel」

Category : 現代美術シッタカぶり
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1月9日→2月6日【MORI YU GALLERY KYOTO】

廃材を組み合わせたカンバスに
鋭く切り立った峰を見せる白い山々が描かれている。
“時代”がついた枯れたベースに描かれた山々は
近寄り難い神々しさを漂わす。
山々は修道僧の長い裾を思わせる。
正円の廃材には中央に太陽。
周囲は魚眼でみた風景のような山なみが連なる。
地下にある未来都市。
所々に開けられた半球型の透明なドーム。
そこから見たような荒涼とした風景。
寂寥感と不安感。
山の白色と木のテクスチャーが
この絵に中世の魔力的な暗示を感じるのは僕だけだろうか。

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迷路の敷地の上に教会が建っている立体作品「Church on Maze 09011」。
この迷路が180cm四方に大きく再現され、
中央に建物が4つ向かい合う「Perfect Mind 08027」。
いずれもキューブリックの「シャイニング」にインスパイアされたもの。
ぞれぞれの異なるスケール感が奇妙な連鎖を意識させる。
迷路を俯瞰して見ることは“支配”することではないだろうか。
“見えている”ことで弄ぶような無責任さ。
だからチリチリする恐怖が立ち上ってくる。

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雲龍をアイコンにして雲を突き破ったさらにその上に
神社を端的に造形したオブジェが乗っている。
孫悟空が飛んできて、殊勝にもお詣りしそうな
他の作品とはテイストがやや違うコミカルな作品(僕にとって)ではあるが
作家の思いが貫かれているという意味では
優れて調和のとれた美しさがある。

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横長の木箱。
鉄道模型より遥かに小さいスケールのプラットホーム。
線路は無い。ホームは木箱の端から端まできっちりと納まっている。
壁にある木箱を覗くと、
箱の内面両端に鏡が貼ってあり、プラットホームは
点になるまで続く。
これは作家の夢の具体化、造形化である。
強烈、鮮烈な夢を形にするのは際限がなくなるはずだが
こうして標本箱の中に閉じ込めて(しかも視覚的には閉じこもっていない)
おくことで夢は夢でなくなる。
僕にはそんなイマジネーション豊かな夢は無縁かも知れないが。

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↑木箱の中にカメラを置いてセルフタイマーで撮る。ホームは続くよ、どこまでも♪

見えない何者かに見透かされ、支配を感じる恐怖や
崇め、畏敬する神の住処たる山々、
繰り返される増幅される夢が
一つの次元で繋がり影響し合う重厚な個展を見た思いである。

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