幻の顔から沁み出る人格…「ROSHIW OKADA Exhibition」

Category : 現代美術シッタカぶり
5月18日→5月30日【GALLERY MARONIE gallery 5】

帰りがけに思わぬ非売本を頂いた。
戦後日本を代表する限定本出版書肆(しょし=書店)である
湯川書房の湯川成一氏への追悼の意を込め、4人の作家仲間によって上梓された本である。
ご本人から「早く書いて」と言われていたのに
私事に追われ、遅くなって申し訳なく思っている。
と言うより、その本の岡田露愁氏の
味わいのある魅力的な筆致を前にすると…中々にキーが進まないのである。

ペインティング、オブジェ、木版画、銅版画、セラミックのオブジェ、陶芸、
イベント、スペース・デザイン、写真、絵本、版画集、挿絵を入れた限定本と
何しろ多岐にわたる制作活動をされている。
またアートや絵本のキャラクターを商品化、Tシャツやぬいぐるみに反映され、
通販も行っている。
実際の作家は柔和な風貌、スタイリッシュなダンディである。
画家であるという印象よりもプランナーやイベンター、
いやむしろ建築家に近いかも知れない。
文才も画才も備えた粋人である。

今回は顔。
木炭と鉛筆で実に率直な表し方で
特定のモデルでない顔たちが描かれている。
岡田氏の作るキャラクターや以前に拝見した個展でも感じたが
どこかに“じっと”思いを潜ませた感じがみなぎっていて、
飄々としているようで一触即発の怖さも表裏にあるという
ある種の危険性をはらんだ空気がある。
結果的な作品の形状や素材は違っていても
作家のベクトルははっきりとしている。
その潔いほどの明確な“線”に
作家が全身全霊で込めた創意が見てとれる。

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頭頂部をカットした構図と顎部分をカットした構図がそれぞれ3点。
共通しているのは誰もにこやかではないということ。
まるで役者のオーディションに集まったように
国籍も宗教も仕事の、もっと言えばそこにまつわるイデオロギーの
差異がそれぞれの面差しに映されているようである。
人は笑顔の向こうにはさほどの理由を求めないのかもしれない。
むしろ哀しみの表情にこそ魅力を見いだし、物語を作るのだ。
確かにモデルが居ようが居まいが観客には何ら関わりはない。
描かれた人物から伝わる“意志のようなもの”が窺える時にこそ
肖像は生きるのである。
だから現存しようが架空であろうがそこに一切の“注釈”は要らないのだ。
こちらを見ている二つの眼(まなこ)から
沁み出す澱のような声なき声が一本一本の線の集積から滲み出る。

モノトーンの静かな訴求。
不安定な揺らぎ。
そして、奥に垣間見える“業”…。

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