わかる人のふり見て我がふり直せ…「レゾナンス ~共鳴~人と響き合うアート」

Category : 現代美術シッタカぶり
4月3日→6月20日【サントリーミュージアム[天保山]】

現代美術展はこれが最後となる。今年12月末にて閉館。
あのクリムト&シーレ展の盛況が嘘のような、
日曜日にも関わらず閑散とした館内。
最終日に来る“滑り込み”組たち。
ミュージアムショップはあまりにショボくなり過ぎ、
ガイドにも、建物全体から精彩が消えている。

人間と美術との基本的関係性に目を向け、人が人としてあり続ける上で
自ずと生じてくるさまざまな様相ー「生と死」「喜び」「悲しみ」「愛」「憎しみ」「笑い」などーを
様々な手法で浮かび上がらせた現代アート作品をご覧いただきます
、とある。

まぁ、そう言ってしまえばそうで、
すべからず作家は鑑賞者と共鳴することで作品を
自分なりの芸術として正当化し、受け入れるのではないか。
様々なタイプの20人の作家が出品しているが
キッズ向けの解説などもそれぞれに示してあり、子供を取込むなら
むしろ夏休みの企画ではないかとも思った。
現代アートの初心者や入門として最適な展覧会というのも
一つの売りにはなっているようだが、理解しようとするのは
結構エネルギーを消耗するものだから、無理してわからんでもいいなぁと思う。
前回の「インシデンタル・アフェアーズ」は
僕にとって正に現代アートの遊園地に迷い込んだような
知的好奇心を満足させてくれた展覧会だったので今だに
個々の作品は印象に残っているが、
今回は正直言って20人の内、共鳴できた作品は3つほどだった。

最初に出会うイケムラ・レイコ氏や
一番若い京都在住の伊藤 彩氏なども僕には
今ひとつピンと入ってこない。
マーク・ロスコを見ていても、今どきの若い画家はこういう
ストイックなものは好きだろうなぁと思う程度で
美術史を学んだ先生方が居たら相当に怒られそうだ。
同じ部屋に飾られた草間弥生の作品も1959年のもので
その陶芸のようなテクスチャーには驚かれた人も多かったろう。
みんな“例の”作品が見たかったろうに、
草間氏の過去を知るという側面が匂っていて、どうも…。
おそらく一番人気だろうジャネット・カーディフの「40声のモテット」は
なるほど素晴らしかった。



これは作品の評価をいつのまにか去勢してしまうほどに強烈に耳を心を打ち、
いつしか作品世界に埋没し、ここではないどこかへ誘(いざな)うような
“ムード”を持ったものだ。
海の見える部屋の周囲に40本の高性能スピーカーが円状に並ぶ。
16世紀の宗教曲を40人の聖歌隊に歌わせ、一人づつの声が
一つのスピーカーから流れる。
僕たちは聖歌隊の声の重層の海の中を遊泳する。
それは厳粛なセレモニーに身を置いたような、締め付けられる感覚。

今年、森美術館で大規模な個展を開催する小谷元彦の彫刻。
亡霊が実際に現れたら…この発想は亡霊のイメージを喚起させるのものではない。
“そのもの”を彫刻したのだ。
その細部のリアリティは、かつて見た者の証言によって
“再現”されたものと言っていい。
どこかの闇世界では彼らが鬼の形相で枯れ野を走り続けているかも知れない…。

もう一人は西尾美也のプロジェクト記録。
ケニアのナイロビで街中で出会った人を男女の区別なしに
お互いの服を上から下まで交換し合って、記念写真よろしくそれぞれ記録したもの。
40枚のプリントが壁一面に貼られている。
日本でやったらどうだろうか。
交換してもユニクロやGAPの交換に過ぎなかったりして。
西尾氏のプロジェクトには単純に「ナイロビ」「現地の人」「服」という
3つのキーワードしか無い。
そのシンプルさと、果たしてどれほどの確率で“換えっこ”できたかは
知る由もないが、多分皆笑顔で応じてくれたに違いないと思う事にする。

現代美術作品に人気投票はけしからんと思われる向きもあろうが
いっそのこと出口で週間集計をとってグラフにでもして
貼り出して、それをネタに語るのも一考ではあるまいか。
やっぱり、けしからん、ですか。

西尾氏のオフィシャルサイト→ http://yoshinarinishio.net/#ja

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Comment

インシデンタル・アフェアーズ私も見ました。作品や作家のチョイスが素晴らしい展覧会だなというのが全体に対しての印象。なので、レゾナンスも同様の質を期待していたのに同じく残念な印象でした。インシデンタル・アフェアーズは広く濃く、レゾナンスは広く超浅くといった感じかな・・??

グラフを貼り出す、いーですねー♪
ただ何票入ったか?なんていうカウント評価だとその中身や真意が見えないので、気に入ったものにコメント(逆に悪いものにも?)を入れるシステムだと面白そうな気がします。

ある作品に対して人々が感じた印象のアベレージは?ミニマムは?作家さんも興味あるんじゃーないかな?

to テツさま

コメントありがとうございます!
そう、なんだか散漫な感じで
美術評論の小吹さんが言うような
感じではなかったです。
テツさんの言うシステム、いいですねぇ。
作家さんだって聞く耳は持ってるでしょうしね。
なんだか続きを書きたくなりました(笑)
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