嬌態を隠れ蓑にこちらを正視する仮想肉体…「 PAPER WORK '10 ・ BAE JUNG SOON (べ・ジョンスン) 」

Category : 現代美術シッタカぶり
6月25日→7月4日【ART SPACE 感】

私の作業は私の全ての経験に根ざしている私の生そのもの。
ここにその時、その空間にせいいっぱい生きてきた私の存在の表現がある。
人体に対する興味を持って過去、また同時代の表現、
あるいはgenre(ジャンル)を超えたあらゆる art への関心は
私の表現の力になってきた。
精神の表現、意識の象徴、身体は私の原点だ。
自然体の人間の身体が作り出す拡張した空間の表現。
それが私の作業の最終的目標だ。(作家の言葉)

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べ・ジョンスンさんの個展を拝見するのは2009年4月以来、二度目。
前回のギャラリーは「作品自身が放つ環境力を最優先させる会場」であり、
それは同時に汎用性に富んだ会場でもあるということ。
ほの暗い照明の中に浮かぶ5体の
トルソーから剥がれたプラスティテーションのような造形は
観る者に挑戦的でさえあった。
ドローイングブックも素晴らしいもので
躍動する人体が持つポジティヴな発露を
ソリッドな線で表現したものだった。

今回は作家が会場を見て決めたと仰る
和室と坪庭のあるギャラリーでの展示。
作品の印象はより湿度を帯び、
その造形はさらに深化していた。
二つの乳房を覆うコルセット状の外郭は
針金を芯に和紙をこより、巧みに連携させながら
毛細血管、あるいは神経網のような形を造り上げていく。
上部の大きく厚みのあるふくらみは
まるでそこで僕らの目に見えない息づかいが聞こえてきそう。
肺のようなシンメトリックなフォルムが
そう思わせるのかも知れない。

“こより”は様々なパーツをまとい,
艶ややかに挑発的になまめくが、その媚態はあくまで仮の姿。
性的なアプローチに思わず惑わされそうになるが
作家の目論みを考えてみるのも面白い。
和紙がきつく絡むその向こうに見えるものを探してみる。
男である僕の視点と女性のそれとでどれほど違うのか、とも考える。

今回は前回にないタイプの作品も和室に展示。
一連の形に「蝶」と「女性」との共通項を探そうとしている自分が居ることに
気付いたりする。
前回の飛び立つような浮力よりも、
今回は作品が“自信たっぷり”に映るのはなぜなのだろう。

べさんは3ヶ月ごとに日韓を往復する忙しい方。
黒のコスチュームがとてもよく似合う、
瞳の奥に信念をたたえた光を見せる asian beauty である。

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