セラミックなカタルシス…「増田 敏也展 - image - in Kyoto 」

Category : 現代美術シッタカぶり
7月6日→7月11日【GALLERY はねうさぎ room4 】

物の形。
あるいは、モノのカタチ。

陶芸作家は“焼物”なんて括りで一緒くたにされるのを嫌かな、とも思ったりする。
陶芸の個展はなぜか他者に口を挟ませない“威力”を放つ。
それは丹精込めて練る土、窯の中で洗礼の如く浴びる焦熱、
そして作家の“思惑”とのせめぎ合いが知らず知らずうちに訴求する
エネルギーのせいなのかも知れない。
凛々しく屹然とする様が陶芸そのものか、などとも思う。
実際土すらこねたことのない僕などは
その“自信”に満ちた陶芸の威風にたじろぐこと、しばしば…
このようなブログをやるまで
自ら陶芸の個展に行くことなど皆無に等しかった。
正直、陶芸は幾多の紆余曲折や試行錯誤の果ての産物と考えてしまうから
(勿論陶芸だけに限った言い回しではない)
その偉容に反応しきれないというのが情けない現状である。

予習なし…。
ここのところバタバタしていてるズボラの自分。
だが、こういう出会いはアドレナリンが時折プツっと底の方から
ゆらゆら泡となって立ち上がる。
楽しくて面白い。
ためになって(そう、ここが肝心なのだ青少年諸君よ)
色んなことを考えて、家にお持ち帰りできる
(作家はできたら実際にお持ち帰りして欲しいところだが…)
そんな感覚を愉しむ…ここがギャラリー回りをする理由。

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↑ほぅら、もうこれでアッパーカット。

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↑何で?と訊く人はまさか居まい

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↑傘の色を選ぶにつけ限りなく性差の無い色にこれが決まる…そう言えば傘の色にはすごい性差が…

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↑某のコーヒーと某によく似たブランドと…ネギとバケットというミスマッチもまた時代を評する

もう説明じみたものは言えば言うほどエラそうになるので言わない。
見ての通りポリバケツや柄杓、傘、蛇口が
なんだか変なことになっているのである。
何も変じゃないって?
ああ,確かにね…
マリオが粗画像でそこに居る感じ?…とも違うか…
いずれにせよ、これはデジタル(らしき)とみせかけたあっぱれフェイク、
“世代が感じる”アート。
僕はこれは一つの陶芸表現のテクノ化ではないかと…。
実にクールではないか。
曲線にその美を求め、逆にゆるやかなれど、
曲線にのみにしか美を見いだし得なかったこと、
そこにこそ価値があると断定した世界観に
心なしクスッと笑える逆襲を覚えるのである。
このカタルシスは爽快ですらある。

デジタル、つまり画素と陶芸という、両端に存在するアートの
引き合わせ、いや合コンだ。
ちなみに作家は、傘を粗くレンダリングしてモザイクをかけて…
そんあ小細工は一切無しに、こうであろうと予測の上で
素焼きした作品に着色していく。
やはり“あざとさ”のない作品はそれ自体に力がみなぎる。
アートは喜びであり、痛快感がたまらない。
人を揶揄するためにあるのでも、訳知り顔の連中のためにあるのでもない。

増田さんとは何回かあるギャラリーでお会いしている。
互いに身の内を明かさないまま、
この個展で偶然会って、なるほど…と思った。
実にカッコいい人なので印象強い。
この“スタイル”をしっかり続けていなさる。
感服ものである。

最初に描いた「モノのカタチ」。
皆捉えたものを、どう描くか、どう練るか、どう組み立てるか、
どう削るか、どう壊すか、どう考えるか…つきない動機に
心惑わされているのだ。
「僕の作品? おっしゃる通り、エッジしか無いですよ」
そう言った増田さんはなんだか男前だった。

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Comment

脱帽!
やっぱりすごい。
「陶芸のテクノ化」どうしてこんな言葉が浮かぶんだろう。
ものすごく分かりやすくてまさに展示場へお邪魔した気分になる。
まねしようと思ってもとても無理だ。

ところでDr.John、喜んでくださって嬉しかったです。
コメント最高!
暑い夏を乗り切りましょう!
ではまた。

コメントありがとうございます。
いいコメントだなぁ。
いつも応援して頂いて、ときどき今日はあげるのお休みしようかななどと思ってしまう日もあるのですが、
あっそうだ、と金魚が泳ぐ画面を思いだすと、
まてまてあんなに言ってくださるのだからがんばって書くのだと自分に言い聞かせます。
ほんとに珍しくもとても感謝しております。
なんだか気持ちが温かくなります。
私のまわりにはdenさんのように知的な洞察のできる人がおりませんので、
みんな「なんて書いてあるの?」とコメントのことを聞きたがります。
私なりに訳すと「すごいよな~、なんでそんなことが書けるんだろう、どんな勉強したのかな」
などとガヤガヤ噂でもちきりです。
これからもblogすごく楽しみにしております。
ではまた!
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