(ロスジェネは置いといて)彼らの覇気を観る…「Art Court Frontier 2010 #8」

Category : 現代美術シッタカぶり
6月25日→7月24日【ARTCOURT Gallery】

出展作家の佐川さんからのメールで知った今展覧会。
それにしても情報不足も甚だしい。
それもあるが京都のこじんまりしたエリアの中でのギャラリー探索に慣れると
どうも大阪は歩くのに何もかもが遠い。
特にこの暑さの中では…。
天神祭宵宮の24日、最終日になんとか滑り込み。

CIMG2538.jpg

↑木内さんの作品

8回を数える「アートコートフォロンティア」は美術界の一線で活躍中の
アーティスト、キュレーター、コレクター、ジャーナリストらが
出展作家を1名ずつ推挙してつくりあげていくといった“若手”を世間に知らしめ、
今後の活躍が期待される彼らの現在進行形を観てもらおうというもの。
12名の作家が出展している。
ギャラリーの前面を陣取るのは木内貴志さんの作品。
かつての作品に文字通り4文字のカタカナで超粗いピクトで表現された
「それは言わない約束(mad man)2000」がある。
デジタル文字の「キチ○イ」である。
作品から受けるメッセージは観客各々が考えたらいいことで
その入り口に一気に辿り着く瞬発力とシンプルさにやはり脱帽。
今回は「ART」。言うまでも無し…。
参照→ http://www.kiuchism.com/

エントランス前にあるのが「愛」のバルーン文字。
これこそが佐川さん流の落としどころだな。
会場内にはバルーンを設置し、膨らまし、立たせ、撤収までを
ビデオに納めてあるが、なにせ15分ぐらいしか“発表”できなかったと言う。
なんでも裏の(いやあちらが主、ですな)のホットドッグ屋台が
「うちが見えない」だの「膨らます音がうるさい」だののクレームだらけ。
やむなく速攻、即撤収と相成ったわけだが、かえって
それが“アウェー”としての辛さ厳しさも物語っていて
なんだか切実な思いに胸が痛くなったほど。
作品の横にあるのが(つまり佐川氏の作品主体でいえば)
現代美術家ロバート・インディアナの有名な彫刻作品「LOVE」。
場所はニューヨーク6番街55丁目。
隣りの「愛」は書体も極太丸ゴシック。
なんだかほんわかしていていい。
毅然とした「LOVE」とは対象的なプヨプヨの愛だ。
ちょっとイタズラをして合成してみた。
作家も驚くだろうが、こんな感じで一瞬だけど仲良く並ぶ。

LOVE愛

CIMG2534.jpg ←愛は世界を救うぜ!

入り口最初の展示でうなってしまった。
森末由美子さんの立体は「本」が主なテーマだが
その完成度の高さと発想の奇抜さ、そしてそれにも増した
“知的でまろやかな美しさ”に言葉が出ない。
小さいいびつな卵のような造形は実は厚い本のページを
しっかりと密着させて丸く研磨したもの。
その他にも集合された本をひとつの彫刻素材のように
削り磨いた「本」の概念を見事に覆す作品が並ぶ。
まるで微かな等高線が本という宇宙の中でひそやかに息をこらしている…
集積された知性が時間に抗うことなく風化するような「砂漠化本」か。
残念ながらご本人には会えず、撮影許可も取れずで残念だったが
さすがに大阪のギャラリー一押しの作家だけある。
その加工ももはや職人の域にあるといってもいいほど。
可愛く、ちょっと怖く、可笑しい、味わいのある作品である。
名前で検索されたらいろいろ観られるかも知れない。
参照→ http://www.inax.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_001560.html

もう一人、大西康明さんのインスタレ-ションも素晴らしい。
参照→ http://onys.net/index.htm
今回もほぼこの写真と同様の作品「体積の裏側」だが
もっと浮き上がったテントのようになっているために
中央に入って見上げてみると細い神経の網の目が張り巡らされた
胎内にいるような感覚に陥る、とても落ち着く空間が出来上がる。
いわゆる工業製品で構成された作品なのに
これほどに“温もり”があるのは起点となる発想に血が通っているからだろう。
もっともっと実物を観てみたい欲求にかられる素敵な作家だ。

先の木内さん1997年卒、大西康明さん2001年卒、
森末さん2005年卒という若さ。



↑佐川さんの2009の作品と…。
 作品を背負っての富士登山。なんでも発作的に思いついたというが…。


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Comment

こんにちわ。
こちらでもコンテンポラリーアートの集まりがたくさんあり、知恵が足りないためどうもよく分からなくて
「あれは好きだ、これは好きだ」と一点一点決めていく友達をみながら
「なんだかみんな力が入っているようでいいと思えるんだけどなぁ」といいましたら、
「バカ!教養がないな」と一喝。それ以来みても黙っていることにしました。
もしdenさんがみられたら上手に解説してくださるのになと毎度思っております。
12名の現在進行形をみてもらう催しとはすごいなと思いました。

抜け殻でウロウロしていましたところ、
コメントを頂いて「さぁやっぱりやるぞ!」と思い、下手なイラストを描き始めました。
ありがとうございました。
これまでそんなことはなかったのですが、
今年はどうしたことか、すごく面白いこともあったのですが、
憤まんやるかたないことも多く、怒ったり憤ったりしたものですから
気合いいれすぎたのかもしれません。
しかし言ってくださった通り、アホ仲間の日常も面白いと思って頂けるよう
またstarting overしてみたく思っております。
ありがとうございました。
ではまた。
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