つぶやくブルー、そして磁力は踊る…「堀 健 展  空への実験室」

Category : 現代美術シッタカぶり
7月27日→8月1日【GALLERY SUZUKI】

最初に見た時の驚き。
穴の中をよーく覗いてみたら…なんだかカタチがあらわになって…
そんな適度なタイムラグあってのきゅっと絞るような驚き。
その“仕組み”はさておき、このようなテクスチャーが苦手の人は
すぐに身体が反応する。
反面、大好きな人はもうハマってしまう。

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↑時計回りにザワザワしながらゆっくり廻るブルーの砂鉄。会期中に丸く軌跡が残るだろう。

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↑こちらは壁掛け作品。パテでエンボスを出してそこを縫うように砂鉄が廻る。途中脱落する者もなく…

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今回は会場のスペースを立体的に使って
あの“砂鉄の行列”もこうして構築され、深化するのだなぁと感心した。

砂鉄の行列とは文字通り砂鉄たちが正円をザワザワとトレースすること。
作品から30センチ離れたらもう視認できないほどに
細かい砂鉄が下からの超スローに回転するモーターに連動した磁石によって
小さな円をモゾモゾ動いているのである。
モゾモゾと…粛々と…ある確信をもって(か、どうかは怪しいが)。

作家がこの駆動と効果との絶妙な因果関係を“発見”した時の
ときめきは相当なものだったに違いない。
さて観客はそこに何を見るか。
まるで永久運動のような、むなしい一日の営みと解釈するか?
それとも、結果を求めずに黙々と労働にいそしむ彼らを見るか?
いや作家はそこに悲観的な要素など決して持ち込まない。
たとえこれが俯瞰した社会の中での或る連携モデルだとしても
生きとし生けるものの普遍的な行動だとしても
作家自身はもはや、この砂鉄に愛そのものを感じているはずである。
僕でさえ、愛おしくなるもの…。

すっくと立つ白い直方体は
垣根のようでも門のようでもボーダーラインのようにも見える。
それぞれの正方形の天面を規則正しく一糸の乱れなく
整然と動く砂鉄は確かに“時計”のようだ。
寡黙な柱の上を動く小さな粒は
今回、なんとブルーに着色している。
もう蟻には見えない。
元は黒い砂鉄だけに色付けはかなり苦労されたようだ。
すっきりしたブルーになるまで何回も乾かしては塗った。

こんなに小さな手の平に立派な宇宙がある。
まるで鍵穴から見る未知なる世界のように
とてもチャーミング。
ギャラリーが終う時間、スイッチがOFFになった途端、
動きを止める砂鉄たち、
それと始まる時、動き出す瞬間を見てみたいものである。

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