109人目から自己紹介を…「松本 央 solo exhibition vol.2 現(うつつ)の果て」

Category : 現代美術シッタカぶり
7月19日→8月18日【BAMI gallery】

前回初個展で108人の自画像を発表した松本さんは
毎日自画像を描くという一種の“慣習化”された行為の
累積にさらなる核心を求めているように見える。
初個展のDMの印象は様々な人に様々な「松本像」を持たれたようで
それはそれでしてやったり、である。(7月3日の当ブログ参照)

続けて2回目の個展。
描く気力や体力、割く時間というものは
その反対側にある「生活のしくみ」というものがあって
初めて現実のものとなる。
夢想で絵は描けない。
だから作家は悩ましい日々をおくることにもなる。
僕としては悩ましければ悩ましいほど“結構”な事だと楽観している。
生活のしくみは社会との接点だらけでできている。
多角形のそれは時に伸びたり縮んだりしながら
時に奢ってみたり、謝ったり、優しくなったり、
しおらしくなったり、殊勝になったり、寂しくなったりしながら
なんとか「自分」の姿をとどめている。

今年の京都二紀展に出品した作品と二紀展京都巡回展に出品する作品を
新作とともに展示、また在学時の作品も併せてみる事ができる。
108人の自画像を見た時、そのせめぎ合いが奇妙に感じられ、
息苦しさの中で答えを永遠に探す旅人のような切なさもつきまとった。
描き手と像だけではなくて、108人が互いにシンクロしながら
ランダムに対峙するような不思議な光景、とでも言ったらいいか。

松本さんが在学中に描いたという小品は赤ん坊と幼児の作家の“自画像”である。
が、通常これは自画像とは言わないし、
乳飲み子や幼少時代にリアルタイムに描けるわけもないから
今見ても動機にある種の不穏さがうかがえる。
過去の自分を現在の自分が描くことに潜むクールな目線。
自己愛でも自己憐憫でもない“かつてそこに居たはずの”自分。

CIMG2697.jpg CIMG2695.jpg

さてさて松本さんは想像妊娠をしてしまったらしい。
そんな自画像。
コントラストを極力削いだストイックな画面。
何か本人は確信めいた表情でいる。
これとて新作と並んで僕にはキャッチーに見える。

CIMG2686.jpg

しかし寝ている「堕」という作品は
自分の心の縁を永遠に周回しているような
人の宿命とも言うべき“心地よいヤワさ”を見る。

CIMG2688.jpg

CIMG2690.jpg

新作「Gate of "H"」は
ブルースブラザーズよろしく扉の前で“こわもてぶる”
松本さんの分身?
この二人、見かけはそっくりだが性格は真逆のように見える。
僕は松本さんの家の近所の風景だという
夜の川の向こうにある街の灯がいたく気に入ってしまった。
けれどあちらへ行ったらもう帰ってこれなくなりそうだ。



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