“奇装”よ、揃い踏みでお出ましあれ!…「 植葉 香澄 × 染谷 聡 展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
10月12日→10月24日【ギャラリー恵風】

楽しみにしていた陶の植葉さん、漆の染谷さんの二人展。
「祇をん小西」での2月の個展で強烈なパンチを頂いた植葉さんの作品には
“とっぽり”とした存在を示すえらく鮮やかな風体の言い知れぬ
モノノケが(おっとこれは染谷さんの展評でさんざん使った例えだった)
ひょっこりと現世に現れたような痛快な趣が印象的。
信楽・陶芸の森で制作した摩訶不思議な、装飾過多な衣装をまとった
伝統文様づくしトトロ(失礼!)が今回も見られる。
よく感想をきかれて「ひと言ではちょっと…」と言葉選びに苦慮するのは、
僕がこの作品の放つイメージに追いついていけてないからだと思う。

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↑王冠をかぶったカエル王か? かなり大きい。

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↑何を挿しても花が負けそうな一輪挿し!

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↑写真で残念。これは面白い香炉。蓋に蟹、周囲には魚が…竜宮城に持って行こう!

友禅染めの絵師を祖父に持つ作家が幼い頃から慣れ親しんできた
古典文様はそれぞれにそれなりの由来を持ったもので
その意味性ゆえに昔から様々なTPOに応じて使い分けてきたモチーフだ。
植葉さんの作品の特徴は言うまでもなくそのフォルム。
キメラとは異質な二面性を持つものとして使われる。
この決して見た瞬間に完結するというものではない
何か“余韻を残す”感じが最大の魅力である。
不思議な余韻はやがて「文様を解読する日本人」であることの再認識を促す。
この無秩序に見えるマッチングと
フォルム全体にできるだけ確定要素を持ち込まないようにしたことが
作品を活き活きと躍動させている一因であると思う。
決してキッチュにならない。
さすがに「陶」の持つ格調である。

こちらも「漆」を伝承しながらも、
伝統的なるものからブレイクスルーする“抜けの良さ”を
独自のキャラクター「御獣(おけもの)」として確立した染谷さん。

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↑秘伝のタレをかけました!

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↑黄金色に鈍く…


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↑和菓子をイメージしたという小品。やはりこの朱は漆ならではのもの。

会場奥のドブかタールの中から引き出したような造形は
染谷さんが気に入ったという「油掛地蔵」のオリジナル版。
油地蔵はなんの因果か、油をかけて手を合わすとされるかなり
奇異に映る地蔵だが各地にあるようだ。
デロデロギトギトな油をなんと“漆の掛けっぱなし”で表現したという
コワいもの知らずな染谷さんらしい作品。
そのポーズに何となくパリコレモデルを想起するのは僕だけ、か。
今回はひらがながテーマにあるということで
風呂桶に「ゆ」の字が液体人間よろしく踊り上がっている作品。
実物を見た時の一種の脱力感は本来の漆的な情感とは乖離しているのに
なぜかそのシチュエーションに強く惹かれてしまい
見事に掌中にハメられた感じがないでもない。

しめなわに施された漆の部分はバイクのグリップよろしく
指の握った跡になっている。
まるでバウムクーヘンに掛けるシロップのようにスイーティ。
漆ってこんなだったっけ…が愉快愉快。

ギャラリーの道を挟んだお隣は理髪店。
店の横手にある蛇口にかかったホースがこれまた
染谷さんの琴線に触れたらしい。
忽然と会場に再現される。
裏話にしても面白すぎる。
そう、これは逆「の」の字だもの…

CIMG3600.jpg

というわけでとても愉しいお二方の展覧会。
これからはお隣の蛇口が気になりそうである。

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