肉を削がれた石灰質と人形とのニアミス…「 人形創造 天宮 志麻 」

Category : 現代美術シッタカぶり
11月2日→11月7日【立体ギャラリー射手座】

日本画家グループ「尖」の展覧会では
大きな作品を描かれる天宮さん。
今回の小品14点はいずれも一貫したテーマが流れている。

9月末の同時代ギャラリーでの「二十二人旅展」に出品された
天宮さん作の球体関節人形「Doll-A」を見ていないのが残念。
ギャラリーではそんな話は微塵もされなかったが、
ご本人のブログを見て、人形まで作っていたと知った次第。
さぞかし大変だったと思う。
僕などは人形を作るという発想そのものが無いに等しいので
手足目鼻のある“物体”を自らの手で創造することに
怖さすら感じる。
これもまたブログで書かれているが
他分野に果敢に挑まれ、完成させる意気たるや大したものだ。

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“人形は人の形をした骨のようだ”と天宮さん。
骨、これは有機的構造物とも言える。
人の芯に骨が仕組まれて、やがてその持ち主が息絶えた時、
骨は単なる石灰質の白いかたまりになる。
日本は火葬の国であり、
遺骨信仰というものも時代によって変化している。
そのスタンスも権力者型からより庶民に近くなったと言われる。
天宮さんの絵を見ていて、ふとそんなことを思った。
骨と人形…
ここに登場する骨は部分にしか過ぎない。
そしてそのパーツとしての骨はモノとして記号化していく。
かつてはそこに肉があり、動き、喘ぎ、
絡むように血管の中では小さな激流が渦巻いていたのに…。

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この死のイメージを彷彿とさせるドクロを含めた骨と
球体関節人形の持つ独特の“構築性”が
作家のどこかで接点をもっている。
作家が言う「骨の質感が化石や貝殻に近い」というのは
石灰質の化石もあるし、ことに貝殻の成分は石灰質であるから
実に的を得た見方である。
かつて生きていた、すでにモノ化した「骨」と、
組み上げられることで命を得る「人形」が、ある次元で交錯する。
なんともミステリアスな出会いである。

記号化のシンボルとして無機質な標識やコーンなどが
それぞれの画面に描かれているが、画材の妙というのか、
どこかにしっとりとした湿気を含んだ表情を帯びている。

描こうとするテーマを立体的に捉え、
モノとモノでないモノとの境界を繊細なタッチで表す。

愛すべき「髑髏」たちの降臨である。

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