僕とジョンたま。

Category : MUSIC
自分の閉塞感に悶々としていた時だった。
その一面トップの大見出しは
まるで朝から悪い冗談を聞いているような、
世紀の誤植のような、そんな気分だったのを覚えている。

その頃の僕は流れついた福岡で米軍ハウスに居候させてもらってから
すっかりその魅力にはまり、気の合う友達もでき、
やっと見つけた空き家を契約、
福岡では仕事が少なかったこともあって
滋賀で季節労働者となり寮に入りながらせっせと
空家賃を福岡に送金していた。

自分が何をしたいのか、どこへ行こうとしているのか
全くわからないまま月日だけが流れ、
2交代制のきつい仕事に身も心もヘトヘトになっていた時、
ジョンのニュースは僕をため息の洞窟に幽閉した。

通称「ジョンたま」…「ジョンの魂」を大事にかかえながら、慎重に袋から出し、
そっと針を下ろした時の、血がざわめくような
心が泡立つような感覚を知ったのは高校1年の時。
好きだった他のどの音楽とも違っていた。
それはミュージシャンの心象をこれほど正直に誠実に表現したものに
出会ったことがなかったからかも知れない。
部屋には、結局行けなかった大阪万博と
アビーロードのポスターが貼られていた。
この最初のソロアルバムをどれほど聴いたことか。

自分の弱さと比例するかのような危うい決意、
親や学校への反発、とりまく環境すべてを破壊してしまいたい衝動、
そして同時に進行していくちっぽけなドロップアウト計画。
「信じられるのは自分だけ」と歌うジョンと共に
大きなズタ袋をかついで東京を離れた時、
親の顔はもちろん、同級生の顔や、
当時つき合っていた彼女の顔すら浮かんでこなかった。
みんな消してしまいたかった。
過去の僕自身も消してしまいたかった。

ジョンの命日になると毎年その頃の自分と重なる思いがある。
それは、自分の背景が鮮明な光景となって甦るからである。

17歳の決意。その背中を押してくれたのはジョンかも知れない。



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Comment

No title

このアルバムは深いですよね
今回私もジョンをとりあげましたが
この時期聞こえてくるのはイマジンとかハッピークリスマスばかりで
どうも生身のジョンがオブラートに包まれてる感じがあって
ちょっとちがうでしょ~と言いたくなりました

あといろいろな方のブログを読みましてヨーコさんが意外に
敬遠されてる気がしてウ~ンと思ってしまいました!

to Sallyさん

そう、Sallyさんもこれ一番!って言ってたので
うれしかったです。
このアルバムにはかなり影響されましたね。

ヨーコさんの持っているミュージシャンとは別のアーティスティックな感覚がジョンをどれだけ刺激したか、それは言わすもがなです。ビートルズが予定調和のままにいくわけがないんですが、ヨーコさんがそのきっかけになったのも事実です。気付きというか目覚めというか…時がたてばたつほどにジョンのヨーコさんへの愛情がわかります。
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