初画集が遺作となった或る才能…「石田徹也遺作集」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2006年に出版された
若き画家・石田徹也氏の遺作集である。
この画集に載せられた作品を
撮ってネットに放つのも非常に気がとがめるので、
表紙とキリンコンテンポラリーアワード奨励賞受賞作を
載せるにとどめた。

あとがき(ここでは弔辞か…)に
あったある方の文章の中にこういうフレーズがある。
「人間とは自己の視点でものを見る、ただ一人の証人にすぎない」
(アラン・ロブ・グリエ)

ここにある作品の全てに彼が描き込まれている。
彼は本の冒頭で語っている。
「普段生活してても、それって日常じゃないですか。
それとはちょっと違う視線で見たらどうなるか…
意味をやめてイメージで描いている。
メッセージとかあると何か違うかなと感じて…
駅前で拡声器でワーワー言ってるのと変わらないのかなって
思っちゃって…(中略)
僕の絵を見て笑ってる、怒ってる、悲しがってる…
そういう人間が同時にいるのが理想。
何かずーっと描いてて、描くのが僕だって思う。
描かないと僕じゃないような…

とても不思議な、初めての体験。
この画集に出会って、新しい世界を見たような気がした。
彼の中にある「ある感覚」に触れた時、
それは同時に恐怖と妄想にとりつかれた一人の若者の
吐露そのものだったのか、それとも全く別物なのか…
僕にもはっきりわからない。
軽いめまいのような、軽やかで、それでいて残酷な風景…

手にとっていただきたい画集である。
2005年・享年31歳。
こういうイラストレーター・画家がいた。
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