300回。みなさん、ありがとうございます。

Category : 現代美術シッタカぶり
2009年2月に当ブログは開店しました。
「現代美術は面白い」というカテゴリーは
最初の頃は写真集も画集も一括りという大雑把なものでしたが
段々と個展や美術展のレポートめいたブログとなっていき、
気がつけば300回になりました。
決して現代美術にこだわっているわけではありませんし、
元より美術の知識も経験もありはしない門外漢が
知りもしないのに書き散らかしているところから
開き直ったこんなブログ名になったわけですので
まぁまぁ内容も推して知るべし、ではあります。
本業が行き詰まった時などに、オツムのガス抜きと
発想訓練のためにしばしば訪れたギャラリー回りを
脅迫的に慣習にしてしまえ、といったところです。

よく人に言うのは、足げく通う(とは言っても小吹さんやその他の
美術ライターの方のようには当然いきませんが)そもそもの動機は
彼ら作家たちに抱くジェラシー以外の何物でもないということです。
作家さんは実はとてもシャイな人たちばかりです。
作品を人に見せるという行為は、また己のはらわたをつかみ出して
晒しているようなものです。
とは言っても逃げ道も言い訳もないわけではないでしょう。
それが人情というもの。
僕は話をしていて、ふと垣間見えるそんな人間臭さに惹かれます。
展覧会は詰めが今ひとつでも
“その日”がくれば搬入しなければなりません。
「今朝まで描いていた」「さっきまで展示の支度をしていた」
「徹夜明け」…などなど。
ひとりぼっちのとても孤独な作業の果てに
ギャラリーに納まった作品を見るのはどんな気分でしょう。
自分の中には、いつかこの気持ちを味わいたいという夢があります。

ここのところ続いた9回に亘る大学の卒展レポートを改めて見てみると
彼らの志や迷いや向こう見ずさが至るところに反映された作品が
これからの大きな礎になっていくのでしょう。
かなりタイトなスケジュールで課題に追われる彼らに
バイトに明け暮れるヒマなんかありませんよ、と学生課の人は言ってました。
美術大学生を子に持った親は大変だと思います。
加えてこの就職難で美術大学を目指したくとも
諦めて他の学科・大学に方向転換せざる得ないという切ない現実もあります。

この狭いエリアにこれだけ美術大学がありながら
京都としての他には無い独自性、地の利といったものが
彼らの将来への足がかりをどうサポートし、
どうバックアップされているのか、心もとない面も否めません。
著名な文化人を講師に次々に据えていくことがいいのか、
入口よりも出口に魅力的な大学づくりを目指さなければ
4年間の天国のような日々、で終ってしまいます。

あのバブルな時代に企業は何に金をかけたのか…
結局、投資目的の美術品収集は破綻し、元の木阿弥になります。
もっと地道に芸術作品に金銭面で援助し、
それが企業としての存在評価に結びつくような基礎的環境を
じっくり作るべきだったと思います。

彼らの作品を評価してくれたなら、どうやって
それを購買につなげ、彼らの糧となるかを真剣に考えて
ギャラリーを開いているご夫婦。
ちょっと売れると作風がガラッと面白くなくなるんですよねぇ、と語る
老舗ギャラリーのオーナー。
時代に課題を求める前にもっと作家自身が強い主体性を持たねば、と
孫のような彼らを優しく叱責するオーナー。
貸しギャラリーのままでは結局、双方とも沈下する。
ギャラリーがもっと企画展を精力的に押し出して
結果的に彼らが“食べていける”という方向に
重きを置くべきだという若きオーナー。

アートは高級であるという一般的な見方は厳然としてあります。
一方でこうしてギャラリーを回りながら作品を見ていくと
「アートの甘え」というものもあるなぁと感じます。
アートをやってます、はセンスのある、知的な人という名札を
いつも胸にさげているようなところもありますよね。
そしてそういう人たちは、当然にようにそういう人たちと結びつく。
それは結果的に狭い社会を自らが形成しているのではという気もします。
「アートの村社会」とでも言うか…、
そこに逃げ込めば安心、というような、シェルターのような…
でも、そんな閉塞感もまたアートの魅力なのかも知れません。
アートそのものは自閉的な環境の中で生まれ、育っていくからこそ、
作品の個性や主張が明確になるのでしょう。
中々悩ましいところです。

次なる301回目からまたボチボチと始めます。
空調の効いた部屋で、タダで、お茶も出て、世間話しなどして、
帰りにお礼まで言われて、あれやこれやと見て、いい時間を過ごせる…
こんなお得なことは滅多とありませんぞ、皆さん。


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Comment

素敵なブログです!!

膝をただして一気に読んでしまいました。

現代美術とかアートとか聞くと確かに一歩も二歩も
・・・いや見えなくなるほど後ずさりしてしまいます。
でもdenさんのおしゃべりは何にもわからなくてもいいじゃない!
見たいんでしょ?見よう!って思わせてくれます。とっても素敵なブログです。

今までギャラリーをウインドウから覗き見してましたが
勇気を持って(これが変かな?)ドアを開けてみます。
いつもありがとうございます!!!
頑張って下さいね!!!!!

・・・・で、どこでゲリラダンスやるんですか?(笑)

おめでとうございます

300回おめでとうございます
「かい」を変換すると「界」になります きっとSallyさんの界くんが飛び回ってるのでしょう

denさんの記事は毎度、読みごたえもあり 写真も多く
ミニ画廊の店主のナビゲートで見てるような気分になります
そこには 驚きなど とても楽しんでるdenさんの様子も醸し出され
こういう真面目に楽しんでるかっこいい大人になりたいなって思います
これからだって denさんの活躍 期待してますよ~

to hitomi

時々行ったことのないギャラリーを覗き、
奥の方で“とりまき”に囲まれてお茶してるオヤジとか見ると
もうそれ以上入りません(笑)
もうそういうキャリアの方には興味がわかなくなりましたねぇ。
だったら絵を買え!という話ですが、
お金のかからない優雅な(この表現がヤバいもと)時間の過ごし方として
ギャラリーまわりをしてるんで、そんな余裕は、とても、とても…

ゲリラダンスですか?
まだ未定なんです。候補地は数々ありますが…
じきに告知しま~す!

to 93さん

ありがとうございます。
今日行ったギャラリーで自己紹介かたがた名刺を渡すと
作家さんに(62歳)に言われました。
「これで何かお金が入るとかあるんですか?」
確かに奇特な人間に見えるかも知れませんが決して怪しい者では
ありません、と念押しします。

京都は入り込むのに時間がかかりますが
一旦馴染むとギャラリーのみなさんはとてもフレンドリーです。
プライベートな話も結構しますしね…。

まぁ無欲な広報担当といった感じかな、なんてね。

No title

300界界!おめでとうございます~!!

現代アート!もっともっと紹介してください!
その昔 D ボウイがポップ革命は確かにあったんだ でも誰も気付かなかった
みたいなことを言ってました

ロックも今ではただの音楽 アートもただの美術品!それならば
存在する意味もたいしてないような気がします(これは言い過ぎかもしれませんが~)
ただの音楽ただの美術品なんて機械がいくらでも生産してくれますものね!

to Sallyさん

アートをいかに金にするかに腐心していると
多分どんどんつまらないものになります。
僕の見ているものは試行錯誤の最中であり、
またやむなき結果でもあります。

アートもまたとんでもない先人のおかげで
現在があると考えなければ自分を見失うことになります。
やはり進みながら常にリスペクトし続ける姿勢が大切ですよね。
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den

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アート・ドキュメント・ブック・
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やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
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